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ニデック、岸田前社長の辞任経緯語る:新社長「過去に戻る考えはない」(2/4 ページ)

» 2026年10月02日 16時31分 公開
[永山準,EE Times Japan]

ニデックが求める倫理水準に照らして「適切ではない」と判断

 ニデックは岸田氏の「財務報告に関する不適切な言動」について、その具体的な内容は明らかにしなかった。会社側は「会計の報告に関する内容」とした上で、具体的な言動については、法的責任を含め役員責任調査委員会が評価中であるとして明らかにしなかった。

 ただ、佐久間氏は、今回の社長交代判断について「法的責任の有無という観点に照らして判断したわけではない」と説明。岸田氏の言動について、現在のニデックが経営トップに求める倫理水準に照らして「適切ではない」と判断したという。法的責任の有無については、役員責任調査委員会の調査結果を待つとしている。

 岸田氏は役員責任調査委員会の調査対象となっている。佐久間氏は、同委員会の調査内容について取締役会には「一切知らされていない」とし、法的責任の有無については調査結果を待つとした。

PwC、2期連続で監査意見「不表明」

 一方、PwC Japanはニデックの2025年3月期と2026年3月期の2期連続で監査意見を不表明とした。ただし、久保田氏によると、それぞれで意見不表明とした理由は異なる。

 2025年3月期については、第三者委員会などによる調査が完了しておらず、不適切な会計処理の範囲や財務諸表への影響について十分な監査証拠を得られなかった。一方、2026年3月期は第三者委員会による調査などがおおむね完了し、「意見不表明となる要因が具体的に特定できている」と説明した。そのうえで主な要因として、コーポレートガバナンス、資産の減損、比較情報を挙げた。

PwC Japan代表執行役の久保田正崇氏 PwC Japan代表執行役の久保田正崇氏 出所:ニデック

 中でも問題となったのが、不適切な会計処理などに関与した役職員の扱いだ。ニデックは関与者を決算処理に関与させないための予防措置を講じていたものの、実際の運用で措置が十分に機能しなかったケースがあったほか、決算処理を進める中で新たに関与が判明した人物もいたという。

 この結果、一部の関与者が2026年9月末時点でも財務報告プロセスで責任ある立場を担っていた。PwC Japanは、こうした役職員から得た監査証拠や陳述の信頼性を確保できず、ニデックが把握、修正した不適切な会計処理が網羅的なものか判断できなかった。

「複数名を特定」関与者の配置、役割を見直しへ

 ニデックは、該当する人員について配置や役割を見直す。ニデック側は、対象者は「複数名」と説明。一部の国で財務処理に影響を及ぼしている人材を特定していて、配置や役割を見直すことで、適正意見の取得を目指すとした。人事面での是正措置は現時点では完了していないといい、10月末までの完了を目指す。ニデックは10月28日までに東京証券取引所へ内部管理体制確認書を提出する予定で、11月13日の2027年3月期上期決算発表、12月の中期経営計画発表についても予定を変更しないとしている。

 なお、PwCが今回問題視した役職員に岸田氏が含まれるのかとの質問に対し、久保田氏は「監査意見は9月30日時点のもの」とした上で、岸田氏は前日の29日付で辞任しているため「今回の対象には含まれていない」と説明した。

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