今回の6インチ化によって、1枚のウエハーから取得できるチップ数は、面積比で4インチの約2.2倍になると見込む。FLOSFIAは「エピタキシャル成膜だけでなく、デバイス前工程全体でチップ当たりの製造コストを削減できる」と説明している。
また、6インチサファイア基板はLED産業向けに大量に流通しているため、安価で安定した調達が可能だ。FLOSFIAは「既存の6インチラインを持つSiCやGaN-LEDのメーカーであれば、設備投資済みの前工程装置を使えるため、新規投資を抑えて早期の量産立ち上げが可能だ」と説明している。
同社は2025年12月の4インチウエハーでの製造技術実証に関する発表の中でも、SiCデバイスの製造コストの約半分(48%)を占めるSiC基板に対し、α-Ga2O3デバイスではサファイア基板を活用することで、基板コストを最大50分の1まで削減できると説明していた。また、ミストドライ法の結晶成長装置への設備投資額も、比較対象とするSiC向け結晶成長装置の10分の1以下になるとの見通しを示している。
FLOSFIAは、MOSFETの性能実証とエピタキシャル成膜の大口径化を、酸化ガリウムパワー半導体の実用化に向けた2つの柱と位置付けている。
デバイス開発では、2025年7月に「世界で初めて」(同社)α-Ga2O3 MOSFETでノーマリーオフ特性を有する10A超の大電流動作を実現したと発表していた。
FLOSFIAは今回の成果を、パートナー企業の量産ラインにおいて酸化ガリウムパワーデバイスを量産するための重要な一歩と位置付けている。今後は2026年中に8インチサファイア基板上での成膜実証を進めるとともに、大口径成膜で得た知見をMOSFETなどのデバイス開発や、パートナー企業との量産プロセス構築に活用する。また、技術ライセンスの提供やエピタキシャルウエハーの供給を通じて協業を拡大し、電気自動車(EV)やAIデータセンター向け電源などへの早期採用を目指す。
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