富士経済は2026年4月、パワー半導体世界市場の予測を発表した。2030年ごろから次世代パワー半導体の実用本格化が進み、市場が大幅に拡大。2035年には、2025年比で95.7%増となる7兆3495億円になると予測する。
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富士経済は2026年4月28日、2035年のパワー半導体世界市場の予測を発表した。同市場規模は7兆3495億円となり、2025年に比べ95.7%増と2倍近くに成長するという。次世代パワー半導体は、炭化ケイ素(SiC)パワーモジュール市場が1兆8749億円で同5.3倍に、窒化ガリウム(GaN)パワー半導体市場が3169億円で同5.4倍に成長すると予測した。
富士経済は今回、パワー半導体17品目、パワー半導体構成部材20品目、パワー半導体製造装置19品目の世界市場を調査(調査期間は2025年11月〜2026年2月)。その結果を「2026年版 次世代パワーデバイス関連市場の現状と将来展望」にまとめた。
パワー半導体の世界市場は、2035年に7兆3495億円と予測する。そのうち4兆8418億円がシリコン(Si)パワー半導体、2兆5077億円が次世代パワー半導体という割合だ。2025年のパワー半導体市場は3兆7550億円で、割合はSiが3兆円2182億円、次世代パワー半導体が5368億円。今後10年で、次世代パワー半導体が大きく成長することが分かる。
富士経済によれば、2025年は、エレクトロニクス機器メーカーなどで在庫調整が進み、民生機器や情報通信機器での需要が増えたため、Siパワー半導体市場が伸びた。一方で、電気自動車(EV)市場の停滞により、欧米および日本のパワー半導体メーカーは大きな影響を受けた。
次世代パワー半導体では、まずSiCパワーモジュールは2025年の3506億円から、2035年は1兆8749億円に成長すると予測する。EVのトラクションインバーターでの需要が高く、今後もEVでの採用率が伸びるとみる。2035年には、EV販売台数の約70%程度にSiCを使ったトラクションインバーターが搭載されると予測している。電鉄車両やエネルギー分野では、大容量の電力貯蔵システム(ESS)や太陽光発電システムのパワーコンディショナーの採用が大幅に拡大する。
一方で、中国メーカーの新規参入が進み、価格競争の激化が予想されるとした。
GaNパワー半導体は、2025年の585億円から2035年は3169億円に成長すると予想した。今後は、オンボードチャージャーやLiDAR、サーバラック電源などで採用が進む他、ヒューマノイドロボットやドローンなどでの需要増が期待される。
| 項目 | 2025年 | 2024年比 | 2035年予測 | 2025年比 |
|---|---|---|---|---|
| SiCパワーモジュール | 3506億円 | 101.3% | 1兆8749億円 | 5.3倍 |
| GaNパワー半導体 | 585億円 | 120.9% | 3169億円 | 5.4倍 |
| 酸化ガリウムパワー半導体 | わずか | - | 149億円 | - |
| 出所:富士経済 | ||||
酸化ガリウムパワー半導体は、2025年の市場規模はごくわずかだったが、2035年には149億円に成長すると予測した。
酸化ガリウムパワー半導体は、主に高速整流用ダイオードであるショットキーバリアダイオード(SBD)向けと高速スイッチング用トランジスタであるFET向けに分けられる。日本ではFLOSFIAが2025年12月、4インチ酸化ガリウムウエハーの製造技術の実証を完了した。試作したSBDを用いて、製品の信頼性についても改善されていることを確認したと発表している。
富士経済は、2027年ごろから、白物家電やサーバラックの電源用などで耐圧600VのSBD向けの量産が始まり、市場が本格化するとみている。SiCパワー半導体の低コスト化が進んでいることから、酸化ガリウムパワー半導体におけるコストメリットは薄れているものの、高耐圧などの利点から、量産が始まれば採用が増えると予想する。
2030年ごろには、SBDよりも需要が大きい産業分野やエネルギー分野向けに、FETの量産も始まるとみられる。メガソーラーのパワーコンディショナーやメガワットチャージャーから採用が始まり、将来的には自動車や電装用でも採用が進むとみる。
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