ニコンが先進パッケージング向けデジタル露光装置「DSP-110」を開発した。解像度は1.5μm(L/S:ライン/スペース)で、スループットは毎時72パネルと、2025年7月に発表した「DSP-100」から約40%向上した。2027年4月の発売を予定している。
ニコンは2026年10月13日、先進パッケージング向けデジタル露光装置「DSP-110」を発表した。解像度は1.5μm(L/S:ライン/スペース)で、スループットは毎時72パネルと、2025年7月に発表した「DSP-100」から約40%向上した。2027年4月の発売を予定している。
AI技術の普及によって半導体の高性能化が求められる中、チップレット集積などの先進パッケージング技術への注目が高まっている。特に、大型インターポーザーや多層FC-BGA基板では高密度配線への需要が拡大していて、再配線層(RDL)の形成に用いる露光装置には、高い解像度と生産性の両立が求められているという。
ニコンは2025年7月、同社初の半導体後工程向けデジタル露光装置として「DSP-100」を発表していた。DSP-100は、半導体露光装置で培った高解像度技術と、FPD(フラットパネルディスプレイ)露光装置向けの「マルチレンズテクノロジー」を組み合わせた製品だ。光源にはi線相当の光を採用し、1.0μm(L/S)の解像度と毎時50パネルのスループットを実現している。
マルチレンズテクノロジーは、複数の投影レンズを並べて精密に制御することで、1本の大型レンズを用いたかのように広い領域を露光するニコン独自の技術だ。複数のレンズで露光領域をカバーすることで、大型基板へのパターニングを可能にする。
デジタル露光装置は、フォトマスクを使わず、回路パターンを表示したSLM(空間光変調器)に光源からの光を照射し、投影レンズを用いて基板に転写する。フォトマスクのサイズによる制約を受けずに大型基板に対応できるほか、回路パターンの変更にも柔軟に対応できる。
ニコンは2026年6月には既に、解像度1.5μm(L/S)の新型デジタル露光装置を開発すると発表していた。当時はDSP-100の毎時50パネルに対して毎時65パネル以上と、30%以上のスループット向上を目標としていた。今回、製品名を「DSP-110」として発表するとともに、スループットが当初目標を上回る毎時72パネルとなることを明らかにした形だ。
また、ニコンは2026年8月の2026年度第1四半期決算説明会で、DSP-100が既に初受注を獲得していて、2027年度からの業績寄与を見込んでいることおよび、開発中の1.5μm(L/S)対応デジタル露光装置についても、既に商談を獲得していると説明していた。
今回のDSP-110は、解像度1.5μm(L/S)向けに光学系を再設計することで、スループットをDSP-100から約40%向上。重ね合わせ精度はDSP-100と同じ±0.3μm以下を維持しつつ、毎時72パネルのスループットを実現した。ニコンは「これによって顧客の生産効率の向上とトータルコストの低減に寄与する」と説明している。
さらに光学系の再設計によって、焦点位置がずれた場合でも正確な回路寸法を維持できる許容範囲「フォーカスマージン」もDSP-100から拡大。これによって、さまざまな基板条件で安定したパターニングを可能にし、歩留まりや量産安定性の向上につなげる。
また、光学系を交換することで、解像度1.0μm(L/S)の装置に改造できる設計とした。先進パッケージング技術の進展によって、将来的にRDLのさらなる微細化が求められた場合にも対応可能で、「顧客の将来的なプロセス高度化にも柔軟に対応する」と強調している。
DSP-110は、310×310mm、510×515mm、600×600mm、730×920mmなどの角型基板に加え、300mmなどのウエハーにも対応する。
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