ニコンは「JPCA Show 2026」に出展し、光応答性の表面処理剤「PAP(Photo Assist Patterning)」を紹介した。ガラス基板へのめっき形成の課題であった平滑性と密着性の両立を実現するものだ。
ニコンは「JPCA Show 2026」(2026年6月10〜11日、東京ビッグサイト)に出展し、光応答性の表面処理剤「PAP(Photo Assist Patterning)」を紹介した。同技術は「第22回 JPCA賞(アワード)」にてJPCA賞に選出された。
現在、半導体後工程による性能向上に注目が集まる中、寸法安定性が高く電気的損失も小さいガラス基板への期待が高まっている。しかし、ガラスは絶縁体であり通常の電気めっきが行えないほか、表面が平滑であることからめっきとの密着性を確保しにくい。
従来は真空中で薄膜を形成(スパッタリング)してその上からめっきを行う手法や、ガラス表面をエッチングであえて粗くして密着性を高める手法がとられてきた。しかし、前者は装置が高価であり、後者は表面粗さの増大で高周波特性が悪化するという課題があった。
ニコンが開発しているPAPは、基板全面に塗布してめっきを形成したい部分に光を当てると、その部分がめっき触媒を保持しやすくなることで、選択的にめっきを形成できる材料だ。顕微鏡やカメラ用の有機材料の開発で培った知見を生かしたという。
これによって、従来はトレードオフとなっていた基板表面の平滑性と密着性を両立できる。PAPの開発を担当したニコンの説明員は「PAPの膜厚は10nm以下と非常に薄いので、基板表面の平滑性を損ねない」とする。
プロセスの簡便さも利点だ。「従来技術ではめっきの下地として同薄膜を形成する場合があるが、そのままでは短絡の原因になることから、めっき後に除去しなければいけない。一方でPAPは絶縁性なので、除去するプロセスが不要になる」と話す。
PAPは現在も開発中で、要望があればサンプルワークも行っている。今後はさらに多様な基板との相性を踏まえて改良を進めるという。
さらにPAPは、回路形成だけでなく全面めっきプロセスへの利用も想定する。先端パッケージ分野では厚い金属膜を形成するため、基板全面に下地膜を形成する必要がある。ニコンはこうした用途への提案も進める考えだ。
「ガラス基板を用いたプロセスは、2028〜2030年ごろに確立されるといわれている。そのタイミングでPAPが顧客の選択肢の1つに入れてもらえるようにしたい」(ブース説明員)
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