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ザイリンクス、光通信分野のIP開発ベンダーOmiinoを買収プログラマブルロジック 有線通信技術

FPGAベンダーが光通信用IPの開発ベンダーを買収する動きが続いている。アルテラに続き、ザイリンクスも買収を発表した。

» 2011年04月12日 13時14分 公開
[Peter Clarke,EE Times]

 FPGAの最大手ベンダーであるザイリンクスは、北アイルランドのベルファスト(Belfast)に拠点を置く通信関連の新興企業であるOmiinoを買収した。買収金額については明らかにしていない。アプライドマイクロ(AppliedMicro)とアルテラも以前に、光通信用IPコアの開発とFPGAへの実装を手掛ける企業をそれぞれ買収していることから、ザイリンクスの今回の買収は、これに続く形となる。

 Omiinoは、Amphion SemiconductorやFlextronics、Nortelなどの企業からエンジニアが集まり、2007年に設立した企業だ。2008年には、通信ネットワーク機器向けにコンフィギュレーションするFPGAの開発に向けて、シードラウンド(創業時の早期投資ラウンド)で105万ポンド(約210万米ドル)の資金を調達している。

 Omiinoは、ザイリンクスやアルテラなどが供給するFPGAを購入し、通信処理用の回路を独自にコンフィギュレーションした上で、「バーチャルASSP」として機器メーカーに販売していた。通信機器の生産数量では、ASICはコストが高過ぎて採用が難しくなっている。

 またOmiinoは、10Gビット/秒と20Gビット/秒、40Gビット/秒に対応するイーサネット市場の光パケットネットワークに向けて、フレーマとパケットマッパーの提供も始めていた。アイルランドのIrish Times紙の報道によると、Omiinoは、同社のCEO(最高経営責任者)であるGary Hamilton氏が、Mark Carson氏、Andrew Brown氏と共同で創設し、社員数は16名だという。

 Irish Times紙によるとHamilton氏は、「当社はこれまで、この素晴らしい技術の開発と市場投入に懸命に取り組んできた。ザイリンクスは全ての製品ファミリにこの技術を適用できるため、同社にとっては良いニュースである」と述べたという。

 アプライドマイクロ(旧社名はApplied Micro Circuits)は2010年に、Omiinoと同種の企業であるデンマークのTpackを3200万米ドル以上で買収した。また、ザイリンクスのライバル企業であるアルテラも、2010年12月に、光通信ネットワーク分野のIPコアベンダーであるAvalon Microelectronicsを買収している。ただしアルテラは、この買収の取引条件について詳細を明らかにしていない。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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