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I/O、メモリ容量、タッチ検出機能を強化した新PSoCIHコンロ2口分を1チップで

Cypress Semiconductor(サイプレス セミコンダクタ)は2015年11月18日、「組込み総合技術展 Embedded Technology 2015(ET2015)」でプログラマブルSoC「PSoC」の新シリーズ「PSoC 4L」を展示した。I/O、メモリ容量、タッチ検出機能を強化したデバイスで白物家電分野などへ展開する。

» 2015年11月19日 10時30分 公開
[竹本達哉EE Times Japan]

 Cypress Semiconductor(サイプレス セミコンダクタ)は2015年11月18〜20日の会期で行われている展示会「組込み総合技術展 Embedded Technology 2015(ET2015)」で、2016年3月のサンプル出荷開始を計画しているプログラマブルSoC「PSoC」の新シリーズ「PSoC 4L」を参考出品した。従来シリーズの「PSoC 4M」よりもI/O数、メモリ容量を強化した製品群で、より多くの静電容量式タッチボタンを制御できる。

「PSoC 4L」の展示パネル (クリックで拡大) 出典:Cypress Semiconductor

 PSoCは、マイコン、メモリにプログラマブルなロジックとプログラマブルなアナログを1チップに統合したCypress独自のデバイス。「PSoC 4ファミリ」は、CPUコアにARM Cortex-M0コアを搭載した製品群。静電容量式ボタンのタッチ検出が行う独自技術「CapSense」を実現するための回路(シグマ-デルタ ブロック)を備え、白物家電のユーザーインタフェース(UI)制御用途や、プログラマブル領域でセンサーAFE(アナログフロントエンド)を構成できる利点を生かし産業機器用途などで使用されているデバイスだ。

 ET2015で参考出品したPSoC 4Lはこれまで展開してきたPSoC 4ファミリ PSoC 4Mの拡張版に相当する。同4Mでは最大128Kバイトだったフラッシュメモリ容量を、同4Lでは最大256Kバイトまで大容量化。搭載I/0数も従来の50個から、98個にほぼ倍増させた。

ET2015での「PSoC 4L」のデモ。2口タイプのIHクッキングヒーターの静電容量ボタン/スライダーを備えた操作パネルを1チップで制御できる (クリックで拡大)

 I/O、メモリ容量増に伴い「PSoC 4Mでは、IHクッキングヒーターの静電容量式ボタンを制御する場合、コンロ1口当たり1個のデバイスが必要になったが、PSoC 4Lであれば1個でコンロ2口分の静電容量式ボタンを制御できるイメージという。

デモで使用したIHクッキングヒーターの操作パネル部。5mm厚のガラストップを用いていた (クリックで拡大)

 また、PSoC 4Lは、CapSense用回路ブロックの搭載数も、1個から2個に増やした。「CapSenseブロックを2個使用することで、検出感度を大きく高められるようになった」とする。その結果、これまではタッチ検出を行う配線板の上を覆うカバー(ガラストップなど)の厚みは2〜3mmに限られたが、同4Lでは5mm程度まで厚くできるようになったとしている。

 CapSenseの特長である、ボタンに水が掛かってしまった状況下でも、指だけを検知する水ぬれ検知機能などは、従来通り使用できる。

 「I/O、メモリを拡張したことで、少ない部品点数、低コストでシステムを構築できるようになる。IHクッキングヒーターなど白物家電をはじめ、センサー搭載数が増えている産業機器や、サーバなど通信機器用途での採用を見込んでいる」(同社)としている。

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