組み込みシステム技術に特化した専門展であるET展は、1987年に「ツールフェア」として初開催され、今回で30回目を迎える。前年からIoT総合技術展との同時開催となった。ET2016実行委員会の委員長を務める山田敏行氏は、「IoT総合技術展を同時開催した2015年は、来場者がその前年に比べて11%も増加した。新たなイノベーションに向けて一歩踏み出したことが、大きな成果につながった」と話す。
組み込みシステム業界は、これから市場規模の拡大が見込まれるオートモーティブやロボティクス、スマートエネルギー、交通システムといった領域に対して、軸となる組み込み技術を進化させつつ、IoTという新たな技術を融合することで、各分野の成長を支えていく。このため、従来のコア技術に加え、ビジネスイノベーションを実現するための技術やソリューションを提案/提供する展示会へと舵を切ってきた。「組み込みシステム業界も、市場の変化に合わせて変わり始めてきたところだ」(山田氏)という。
なお、第2回となるIoT Technology 2016には、日本IBMやアマゾン ウェブ サービスといった、クラウドサービスやデータ処理を手掛ける企業が出展するなど、「出展社の傾向が変わり始めた」(山田氏)と話す。実際、前年の来場者を分析したところ、ET展に比べてIoT Technology展は、業種として「通信サービス/ネットワーク」と「SI/情報サービス」に関連する来場者が多かった。職種別では、「営業」や「マーケティング」「経営者・経営企画」の割合が高かったという。IoTに対する漫然とした期待から、具体的なビジネス/パートナー探しへと進展しているのではないかと主催者はみている。
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