2016年2月にAvago TechnologiesによるBroadcom(ブロードコム)の買収が完了して誕生した新生Broadcom。一部の事業を売却するコスト削減策を実施するとしていたが、IoT(モノのインターネット)事業を手放すようだ。
Cypress Semiconductor(サイプレス セミコンダクタ)は2016年4月28日、Broadcom(ブロードコム)のワイヤレスIoT(モノのインターネット)事業を買収することで合意したと発表した。買収額は5億5000万米ドル(約583億円)。
これにより、CypressはBroadcomのWi-Fi、Bluetooth、ZigBeeに対応したIoT向け無線通信製品群とIP(Intellectual Property)を手に入れる。この中には、BroadcomのBluetooth対応モジュール「WICED(ウィキッド)」も含まれるとしている。
CypressのCEO(最高経営責任者)を務めるT.J. Rodgers氏はリリースの中で「CypressのプログラマブルSoC(System on Chip)『PSoC』とBroadcomのIoT事業を組み合わせることで、IoT市場におけるCypressの競争力が高まるとともに、当社にとって新しい市場を開くチャンスになることだろう」とコメントしている。なお、Rodgers氏は退任することが決まっていて、Cypressは後任を探しているさなかである。
BroadcomのIoT事業には430人の従業員が携わっていて、直近1年間の売上高は1億8900万米ドルとなっている。
BroadcomのIoT事業でゼネラルマネジャーを務めるStephen DiFranco氏はリリースの中で「BroadcomのIoT対応製品群により、Cypressは、無線通信用チップをはじめマイコン、SoC、モジュール、メモリなどIoT機器の設計で要求される包括的な開発エコシステムを提供できるようになる。組み込み機器や単一のIoT設計プラットフォームにおいてエンド・ツー・エンドの製品ポートフォリオをそろえることができるだろう」とコメントした。
一方のBroadcomは、IoT機器以外の市場に向けた無線通信製品に引き続き注力していく予定だという。これらには例えばSTB(セットトップボックス)、ワイヤレスアクセス、スマートフォン、ノートPCなどが含まれる。
【翻訳、編集:EE Times Japan】
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