中国政府は、中国の半導体産業の発展に不当に関与していると懸念する米国に対し、中国メーカーの幹部らが、「不当な政策ではない」と擁護した。
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米国のホワイトハウスは2016年1月6日、「中国の不当な半導体政策に対抗するために、国際的な協力が必要だ」と訴える報告書を発表した。これを受け、中国の2人のシニアエグゼクティブが、中国が半導体業界に仕掛ける大きな賭けを擁護するコメントを発表した。中国のファウンドリーであるHLMC(Shanghai Huali Microelectronics Corporation)と半導体製造装置を手掛けるAMEC(Advanced Micro-Fabrication Equipment)のエグゼクティブは、「中国政府は発展段階にある業界をサポートしているのであって、不当な政策ではない」と主張した。
中国の中央政府と州政府、個人投資家は、中国の半導体産業の成長を目指して今後数年間で1600億米ドルも投資する計画だという。半導体市場は、今後数年間で過去最大の成長が期待されている。米国の半導体メーカーは、中国がこうした政府支援によって、同市場に不当に関与しようとしているのではないかと懸念している。
HLMCとAMECのエグゼクティブは、SEMIが開催した年次イベント「Industry Strategy Symposium(ISS) 2017」(2017年1月8〜11日、米国カリフォルニア州)で中国の政策と両社の取組みの正当性を主張した。
世界中のスマートフォンやデジタルカメラなどの製品は、その多くが中国で組み立てられているため、中国は世界の半導体の約45%を購入している。一方、世界半導体市場における中国のシェアはわずか13%で、半導体では巨額の貿易赤字を計上している。
中国は、2014年6月に施行した市場ベースの政策で、約1500億米ドルに上る年間貿易赤字の解消を掲げている。この目標の達成に向けて、堅ろうな製造装置と材料を自国で生産して、2020年まで国内工場で16nm/14nmプロセスチップを量産することを目指している。
HLMCで販売/マーケティング部門のバイスプレジデントを務めるJack Qi Shu氏は、ISS 2017の講演後にEE Timesが行ったインタビューの中で、「こうした主要技術がなければ、将来的に困難を抱える可能性がある」と語った。
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