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MediaTek、ASICビジネスへの回帰を表明プレジデント Joe Chen氏インタビュー(1/2 ページ)

MediaTekのプレジデントであるJoe Chen氏は、スペインバルセロナで2月26日〜3月1日の日程で開催されている世界最大級のモバイル関連イベント「Mobile World Congress 2018」において、ASICビジネスで成長を図っていく考えを示した。

» 2018年03月01日 09時30分 公開
[Junko YoshidaEE Times]

「高性能ASIC設計サービスを提供していく予定だ」

 MediaTekが、ASICビジネスに復帰する考えであることを明らかにした。

 MediaTekのプレジデントであるJoe Chen氏は、スペインバルセロナで2月26日〜3月1日の日程で開催されている世界最大級のモバイル関連イベント「Mobile World Congress 2018」において、EE Timesが行った単独インタビューの中で、「当社は、民生、通信、コンピューティング市場のシステムメーカー各社向けに、高性能ASIC設計サービスを提供していく予定だ」と語った。

MediaTek プレジデントを務めるJoe Chen氏。「Mobile World Congress 2018」のMediaTekブースで撮影

 Chen氏は、「MediaTekはこれまで長い間、ASSPメーカーとして知られてきたが、現在は、ASICメーカーへの転身を図ることで成長のチャンスを得られると考えるようになった」と述べる。

 しかし、ここで少し考えてみてほしい。半導体メーカーの多くはかつて、ASICビジネスモデルを見限り、プラットフォームベースのASSPビジネスを支持するようになったのではなかったのか。自社のASIC関連の顧客企業の製品が、特定の市場分野において消費者の心をつかむことができるとあらかじめ分かっていない限り、ASIC設計への投資を正当化するのは非常に難しい。

 Chen氏は、「確かにその通りだ。ASIC市場は、ここ20年間で縮小してきた。しかし業界自体も、時間と共に変化を遂げてきたといえる」と述べる。

 「例えば、スマートフォン市場におけるAppleやSamsung Electronicsの例を見てみよう。両社とも、専用のチップソリューションを独自に開発し、自社の最終製品を差別化することによって、成功を収めてきた」(同氏)

 また、他の大手システムメーカーも現在、ソリューションを独自に開発しようと模索しているところだ。しかし、Chen氏が指摘しているように、システムメーカーの多くは、社内のASIC専門技術を手放してしまったり、維持できていなかったりというような状況にある。

 MediaTekは2015年ごろに、さまざまな大手顧客企業から、自社システム専用の独自ソリューションを求める声が高まってきたことを受け、変化の兆しを感じ取るようになったという。Chen氏は、「当社は、ソニーやMicrosoftのゲーム機に向けたASIC開発を手掛けた他、2017年には、コンピュータ市場においてかなりの規模のASICビジネスを勝ち取ったことにより、重要なマイルストーンを達成している」と述べている。

 MediaTekは2018年中に、さらなるASICビジネスの拡大を目指し、通信分野の顧客企業を獲得していきたい考えだ。しかしChen氏は、ASIC関連の顧客企業名については公表しようとせず、またMediaTekがASIC設計を提供しようとしている特定の製品カテゴリーについても、一切明かさなかった。

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