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AMD、7nmチップでIntelとNVIDIAに真っ向勝負返り咲きを果たす?(1/2 ページ)

AMDは、利益が見込めるデータセンターをターゲットとする、7nmプロセスのCPUとGPUを発表した。Intelの14nmプロセス適用プロセッサ「Xeon」とNVIDIAの12nmプロセス適用「Volta」に匹敵する性能を実現するとしている。

» 2018年11月12日 10時30分 公開
[Rick MerrittEE Times]

 AMDは、利益が見込めるデータセンターをターゲットとする、7nmプロセスのCPUとGPUを発表した。Intelの14nmプロセス適用プロセッサ「Xeon」とNVIDIAの12nmプロセス適用「Volta」に匹敵する性能を実現するとしている。

 AMDは、新型チップとその性能に関する詳細については、今のところまだ多くを語っていない。だがアナリストたちは、「AMDは2016年に、同社にとって初となる14nmプロセスを適用した『Zen』ベースのチップを発表して以来、見事に返り咲きを果たした。今後もその状態を維持していけるだろう」と強気の見方をしている。

 AMDのチーフエグゼクティブであるLisa Su氏は、アナリスト向けイベントの記者会見において、「われわれにとっては、高性能を実現することが全てだ。野心的な目的を掲げることは、長旅をするようなものだと認識している。AMDは、データセンター分野をターゲットに熱心な取り組みを進めている。これは当社の領域であり、先導的役割を担うべき場所だと考えている」と述べる。

 同氏は、7nmプロセス適用のx86サーバ向けプロセッサ「EPYC」のデモを披露した。EPYCは、レンダリングジョブにおいて、IntelのXeon(開発コード名:Skylake)を2個搭載したシステムを、辛うじて上回る性能を備えている。またAMDは、7nmプロセスGPU「Vega」のベンチマークを発表しており、NVIDIAの「Tesla V100」とほぼ同等レベルを達成したとしている。

「EPYC」(左)と「Vega」 出典:AMD

 新興企業Highwaiは、ロボットカーナビゲーション向けとして、7nmプロセスのVegaを同社のAI(人工知能)シミュレーションソフトウェアで動作させるデモを披露した。AMDの共同創設者であり、チーフテクノロジストを務めるRaul Diaz氏は、「AMDのチップは、Voltaにほぼ匹敵する」と述べている。

 また同氏は、「今のところ、まだ体系的な比較を行うための時間がない。さらなる性能向上を最も必要としているのは、AIトレーニングだ」と指摘する。

7nmチップでシェア拡大へ加速

 米国の調査会社であるIDCのMario Morales氏は、「AMDは、2017年5月に14nmプロセスのEPYCを発表したことにより、その当時x86ベースのサーバ市場において0.5%だったごくわずかなシェアを、1.5%まで増加させることができた。現在では、顧客企業との関係も取り戻すことができたため、AMDは2019年半ばまでに、7nmプロセスバージョンによって、x86サーバ市場のシェアを1桁台後半まで押し上げることができるだろう」と述べる。

 IDCのShane Rao氏は、「AMDのマイクロプロセッサ市場全体におけるシェアは、2016年第2四半期には7.43%だったが、Zenベースのx86チップの投入により、2018年第2四半期には9.23%まで上昇した」と述べる。一方でIntelのx86プロセッサは、市場シェアと売上高の両方で、全てのアーキテクチャに対する優位性を確立し、90%を超えるシェアを維持している。

 AMDは引き続き、EPYCを低コストで提供すべく、クリエイティブなパッケージングを積極的に利用していく考えだ。シングルモジュールには、最大8個の7nmプロセスのプロセッサダイが搭載されていて、AMDの「Infinity Fabric」と、メモリコントローラー搭載の14nmプロセス適用I/Oシングルチップに接続されている。

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