重要鉱物と採掘技術をテーマにした国際イベント「Critical Minerals & Mining Solutions Summit」で、東京大学の加藤泰浩氏が南鳥島で採掘されるレアアース泥(でい)の現況などを紹介した。現在、レアアース市場は中国が独占状態だが、南鳥島の排他的経済水域(EEZ)のレアアース泥全体では中国を凌ぐ資源量になるという。
重要鉱物と採掘技術をテーマにした国際イベント「Critical Minerals & Mining Solutions Summit」が、2026年7月22日に開催された。同イベントの基調講演では、東京大学大学院工学系研究科 前研究科長・工学部長の加藤泰浩氏が、南鳥島で採掘されるレアアース泥(でい)の現況などを紹介した。
半導体を含むハイテク産業において、レアアースは重要資源だ。現在、市場の中心にいるのが中国で、生産量では世界全体の69%、精錬後のシェアでは91%を占める。陸上レアアースの精錬には放射性元素の処理など大きな環境負荷がかかる。加藤氏によると、中国は環境汚染よりも精錬を優先することが、市場独占の理由だという。
加藤氏の率いる東京大学の研究チームは2011年に、太平洋でレアアース類を高濃度に含む海底泥を世界で初めて発見し、「レアアース泥」と命名した。当時発見したレアアース泥は、中国陸上鉱山の2〜5倍のレアアース濃度のものが10〜70mの厚さで堆積していたという。
日本の小笠原諸島に位置する南鳥島は約1億2000万年前にタヒチ沖で誕生し、現在の場所まで移動してきた。その道中でレアアース泥の堆積したポイントを通過してきたため、南鳥島を乗せたプレート上にも大量のレアアース泥が堆積してると加藤氏は予想し、調査を実施。2012年、南鳥島の排他的経済水域(EEZ)に高濃度レアアース泥が大量に存在することを発見した。
2013年には南鳥島EEZの海底面下2〜4mに、中国鉱山の約20倍もの濃度になる7000ppm超の超高濃度レアアース泥があることを発見した。2018年の発表によると、南鳥島EEZの1%の有望海域だけでも世界第3位のレアアース大国になれるだけの資源量(1600万トン)で、EEZ全体で見れば、中国を抜いて世界第1位になれる資源量を有しているという。
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