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6000万件の製品データを持つ代替品提案システム。調達困難下の部品供給を最重要課題に据えるDigi-KeyDigi-Key Electronics APAC ビジネス部門バイスプレジデント Tony Ng氏

長引く新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大によるパンデミックに加え、ロシアのウクライナ侵攻や米中貿易戦争、急速に進むインフレなど業界全体が多くの課題に直面する中、米大手ディストリビューターのDigi-Key Electronicsは、2年連続で2桁成長と、かつてない飛躍を遂げた。今回、同社のAPAC(アジア太平洋地域)ビジネス部門バイスプレジデントのTony Ng氏が、予測困難な今後の市況にどう対応していくのか、同社の戦略について語った。

» 2023年01月12日 10時00分 公開
[PR/EE Times Japan]
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2年間で80%以上、「かつてない」成長を達成

――2022年の業績は、いかがでしたか。

 Tony Ng氏 目覚ましい業績を記録した2021年に続き、2022年も継続的に売り上げを伸ばし、2年間で80%以上という、かつてない成長を達成した。2022年は約85万8000人の顧客にサービスを提供した。

 2018年以降、Digi-KeyはAPAC(アジア太平洋地域)で非常に大きな成長を遂げており、2020年から2021年にかけて同地域の売上高は95%の成長を遂げた。

多難な2022年も、「常に在庫を確保できる体制」整備

――2022年に実施した戦略について聞かせてください。日本では、どのような取り組みを行いましたか?

Ng氏 2021年に引き続き、2桁成長を達成できたのは大きな成果だ。この1年、安定した部品供給、変動する価格への対応、受注済み製品の納期調整、物流面などで多くの課題が可視化された。日本のエンジニアや購買担当者は、パンデミックを起因とする諸問題に加えて、在庫の確保、流通経路の管理方針変更および、円安などの対策に直面しただろう。

 Digi-Keyは、世界中のサプライヤーと密接に連携し、従来のディストリビューターが供給体制を維持することが困難な場合でも、常に在庫を確保できる体制を整えている。新規サプライヤーを獲得し、製品のSKU(最小在庫管理単位)を増加するという継続的な投資により、日本での高い顧客需要に対応する準備を拡充した。

 また、2022年8月、Digi-Keyは米国ミネソタ州シーフリバーフォールズで、220万平方フィート(約20万m2)の製品流通センターの拡張部(Product Distribution Center Expansion:PDCe)を開設した。同センターは、顧客の要望に応じ、カスタムメイドかつ細分化された数量で出荷する世界最大級の施設だ。今回の投資は、日本を含む世界中の顧客への納入サイクルタイム短縮を常に模索する当社の取り組みの成果といえる。

拡張が完了した製品流通センター(Product Distribution Center Expansion:PDCe) 出所:Digi-Key Electronics

 この難局の中も日本の顧客は増加しており、当社の新規サプライヤー開拓から、倉庫拡張、Webツール強化、地域密着型サポート、自動化ツールへの投資拡大などにより、予測困難な局面を切り抜けている。

代替品も6000万件のデータベースから自動で提示

――長引くパンデミックに加えロシアのウクライナ侵攻、米中貿易戦争、急激なインフレなど2022年は多難な年でした。この難局にどう対応されましたか?

Ng氏 COVID-19については最悪の事態は脱したと考えており、2023年以降は影響が少なくなることを期待している。

 われわれの目標は、顧客が、ニーズにあった代替品を可能な限り容易に得られるようにすることだ。顧客が当社Webサイトで注文しようとした製品に在庫がない場合、Digi-Keyは約6000万件のデータベースから自動的に代替品の候補を提示できる。

――2023年の市場環境に対する見解とその対応について教えてください。

Ng氏 先行き不透明な経済情勢やサプライチェーン問題など課題は山積しているが、われわれは以下の方法で顧客をサポートしていく。

  • 新規サプライヤー開拓の継続と、デジタルプラットフォームによる製品および用途に関する知見の拡充
  • 製品流通センター拡張(PDCe)による、迅速に供給可能なSKU数の増加
  • 顧客の製品検索や購入を容易にするWebツールの継続的な開発(myListsなど)
  • 少量多品種生産の自動化を支援するサービスとソリューションの提供

 日本市場に向け、当社は効果的なデジタルチャンネルを模索しつつ、顧客に寄り添うことでニーズを理解し、革新的なソリューションを提供する。また、部品検索から見積もり依頼、注文入力の自動化、信用口座取引の提供まで、当社の機能を顧客がどのように活用できるかも検討していく。

――2023年の設備投資について教えてください。

Ng氏 当社は、過去3年間の実績を土台として、継続的な設備投資や生産能力の拡大、スムーズなデジタル体験の実現に取り組む。

 また、カットテープ裏面への印刷から製品エコシステムにおける多様な製品およびサービスの提供、Digi-Keyマーケットプレイスの拡大などにも投資し、顧客がDigi-Keyを設計プロセスにおける最初のステップとして選択するよう、魅力を高めていく。

『あらゆるものの電化』が2023年も重要なトレンド

――注目しているトレンドはありますか。

Ng氏 ヘルスケア、自動車、エネルギー、5G(第5世代移動通信)、IoT(モノのインターネット)は、2023年以降もイノベーションを推進し続け、Digi-Keyはそのイノベーションを促進するために必要な全ての部品とサービスを提供し続けている。われわれは、『あらゆるものの電化(Electrification of Everything)』が、2023年も大きな成長をもたらす重要な業界トレンドと捉えている。

――日本市場への期待をお聞かせください。

Ng氏 日本の顧客は、サービスと品質の両面で高い要求があるが、当社の自動化された新倉庫機能により、グローバルにおいて安定した部品調達を行うことができる。

 Digi-Keyは、パーソナライズされたコンテンツや、カスタマイズ/ビジュアル化された製品検索を含む検索機能など、顧客の利便性向上に向けた多くの技術の強化に投資している。さらに、強化された部品表(BOM)管理ツール「myLists」、見積もりツール、APIツールなど、部品レベルおよび自動化レベルで製品を選択できる、極めて幅広い選択肢を提供している。これらの検索機能やツールも、日本のエンジニアに役立つと確信している。


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提供:Digi-Key Electronics
アイティメディア営業企画/制作:EE Times Japan 編集部/掲載内容有効期限:2023年2月9日


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