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ミクロの接点をつないでマクロの真価に昇華する、コネクティビティ技術で価値を発揮し続けるTE Connectivityタイコエレクトロニクスジャパン 代表取締役社長 鶴山修司氏

コネクティビティとセンサ分野におけるグローバル企業であるTE Connectivity。2023年5月、これまで同社の日本/ASEAN地域 オートモーティブ事業本部長を務めてきた鶴山修司氏が日本法人であるタイコエレクトロニクスジャパンの社長に就任した。ICや電子部品の進化と同時にそれらをつなぐコネクティビティ技術の重要性が増す中、鶴山氏はTE Connectivityの強みをどう捉えているのか。日本での戦略とともに聞いた。

» 2023年08月21日 10時00分 公開
[PR/EE Times Japan]
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――2023年5月19日付でタイコエレクトロニクスジャパン(TEジャパン)の社長に就任されました。

鶴山修司氏 グローバル企業であるTE Connectivity(以下、TE)の“基礎力”をとても感じている。当社はコロナ禍だった2022年度も163億米ドルと過去最高の売上を達成した。TEがグローバルで培った知見を製品開発と製造の両面に生かし、顧客に支持されたことが結果として表れた。

――半導体/エレクトロニクス市場は需要低迷が続いています。

鶴山氏 確かに低迷の時期に入っているが、もともと季節的に変動する分野でもある。それでも、産業オートメーションの進化に伴い、付加価値の高いコネクティビティソリューションの需要増大が予想されている。そして、再生可能エネルギー関連分野や、クラウドコンピューティング、AIアプリケーションなどへの期待も高いと考えている。

“一歩先”を見据えたソリューションを提案

――TEは自動車、産業機器、メディカル、再生可能エネルギーなどさまざまな分野に製品を提供しています。あらためて、TEの強みについてお聞かせください。

鶴山氏 顧客の現在の要求に応えるだけでなく、時代のトレンドを踏まえて常に“一歩先”を見据えた提案ができることだ。

 TEは全世界に8000人を超える設計者がいて、日々顧客のニーズに耳を傾けて開発している。そうしたニーズをグローバルで集約することによって業界の動向や将来的なニーズを見通し、次世代に向けた技術や仕様、新しい標準規格などを積極的に顧客に提案する。将来を見据えたソリューションを提供できる土壌を持っていることが、TEの強みだ。

――日本での戦略についてお聞かせください。

鶴山氏 大きく分けて3つの柱がある。まずは日本の顧客に寄り添い、課題解決のためのソリューションを提供すること。2つ目が、技術革新に引き続き注力し、TEのグローバルな知見を生かしたソリューションを国内に積極的に提案すること。3つ目が、インクルージョンやダイバーシティを重視し、顧客に新しいアイデアやソリューションを提供できる土壌を作ることだ。

 TEの知見を生かしつつ、日本の顧客に寄り添ってソリューションを提供するには多様な人材を集める必要がある。ダイバーシティを強化する戦略の一環として、TEには職種を問わずジョブローテーションを利用できる制度が世界各地の拠点にある。TEジャパンには既に多様な人材がそろっているが、同制度によってさまざまな国で知見を積んだメンバーが日本にさらに集まり、日本の顧客に貢献する提案ができるようになると期待している。

――日本における「先を見据えた提案」としては、どのようなものが考えられますか。

鶴山氏 自動車の電動化に向けた提案が挙げられる。電動化は自動車のメガトレンドの一つであり、TEは早くから電動化向けのソリューションを提案してきた。特に、欧州や中国では既に標準となりつつある800Vシステム向けの製品は、まさにこれから国内での提案を強化できるものだ。市場実績に裏付けられたソリューションであり、日本でも自信を持って提案できる。

 EV(電気自動車)向けの充電インレットがその一例だ。800Vに対応しているだけでなく、設計を最適化し、ワイヤをより簡単に接続できる構造になっている。これにより、ハーネスメーカーや自動車メーカーはアセンブリ時間を従来品よりも大幅に短縮できる。材料やパッケージも見直し、コストやパッケージ体積の低減も実現した。われわれは、当社の製品単価の削減だけでなく、EVに搭載されるトータルソリューションのコスト低減につながる製品開発にこだわっている。

TEのEモビリティ向け製品の一例 提供:TE Connectivity TEのEモビリティ向け製品の一例 提供:TE Connectivity

「つなぐ」技術の価値

――部品やデバイス、素子が進化する中、それらをつなぐコネクティビティ技術の重要性も増しています。コネクティビティ技術の価値についてお聞かせください。

鶴山氏 TEは、「つなぐ」という言葉を大事にしている。単一では真価を発揮しにくい部品やデバイスを当社の製品でつなぐことによって、システムとして価値を昇華させる。そこにわれわれの存在意義がある。一般消費者からは見えにくい部分だが、マクロなシステム内のミクロな接点の部分に、当社の研ぎ澄まされた技術革新が生きている。そこがコネクティビティ技術の価値であり、TEの価値でもある。

――TEの技術革新が表れている製品を教えてください。

鶴山氏 2023年3月に発表した自動車用の小型コネクタシステム「PicoMQS」がその一つだ。当社既存の0.5mmコネクタシステムに対してクリンプ長を55%削減し、パッケージ重量を78%削減した。自動車の性能には影響を与えずに部品やシステムの小型化を求める声に応えた製品で、2022年に「Electronic Products」誌のインターコネクト部門で「プロダクト・オブ・ザ・イヤー」を受賞した。

「作る過程」もサステナブルに

――TEはサステナビリティにも注力しています。

鶴山氏 2030年のサステナビリティ目標に向けて大きな前進を遂げたことを受け、6月に環境負荷低減に向けた取り組みを強化したことを発表した。当社が直接排出するScope 1および2の排出量を、2030年までに70%削減する(2020年比)という目標を掲げた。さらに、TEは当社初となる目標として、外部バリューチェーンによって排出されるScope 3の排出量を2032年までに25%削減(2022年比)を設定した。また、サステナビリティに貢献する先進的なソリューションを提供するだけでなく、製品のライフサイクルを通じて環境への影響を低減するのをサポートすることも重要だと考えられる。より環境負荷の低い材料の使用や、より持続可能な方法で製品を設計するなど、当社が製品を作る過程にサステナビリティを組み込む。これからも、より安全で持続可能な社会の実現、より豊かな、つながる未来の創造のために、一層努めていく。

TEは、サステナビリティの実現に向けた取り組みを加速している TEは、サステナビリティの実現に向けた取り組みを加速している 提供:TE Connectivity

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提供:TE Connectivity
アイティメディア営業企画/制作:EE Times Japan 編集部/掲載内容有効期限:2023年9月21日

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