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ソニー半導体、24年度2Q売上高は過去最高も通期は下方修正大手顧客の生産調整が影響(1/2 ページ)

ソニーグループのイメージング&センシングソリューション分野の2024年度第2四半期売上高は前年同期比32%増の5356億円、営業利益は同99%増の924億円とそれぞれ大幅増となった。売上高は第2四半期として過去最高だという。

» 2024年11月11日 10時00分 公開
[永山準EE Times Japan]

 ソニーグループ(以下、ソニー)は2024年11月8日、2025年3月期(2024年度)第2四半期(7〜9月)連結業績を発表した。イメージング&センシングソリューション(I&SS)分野の売上高は前年同期比32%増の5356億円、営業利益は同99%増の924億円とそれぞれ大幅増となった。売上高は第2四半期として過去最高だという。モバイル向けイメージセンサーの増収と為替の好影響が主な要因だ。なお、調整後OIBDA※)では同50%増の1612億円だった。

※調整後OIBDA(Operating Income Before Depreciation and Amortization):営業利益と減価償却費および償却費(コンテンツ資産に含まれる繰延映画製作費、テレビ放映権、自社制作のゲームコンテンツおよび原盤制作費、繰延保険契約費の償却費を除く)からソニーグループが非経常的と判断する損益を除いた指標。

スマホ市場、グローバルで緩やかに回復基調

 I&SS分野の売上高は、モバイル向けイメージセンサーの販売数量増および製品ミックス改善による増収および、為替のプラス影響(+297億円)によって、前年度比1293億円増の大幅増収となった。営業利益は、減価償却費の増加および製造経費の増加はあったが、増収および為替の好影響(+229億円)によって、同461億円増の大幅増益になった。

 同社によると、スマートフォン市場は中国と欧州での前年同期比プラス成長の継続に加え、北米市場に回復の兆しが見られ、グローバルで緩やかな回復基調が継続しているという。同社執行役員財務/IR担当の早川禎彦氏は、「当四半期におけるモバイルセンサー売り上げは、センサーサイズの大判化に伴う単価上昇と大手顧客の新製品に向けたイメージセンサーの順調な出荷により大幅に伸長し、分野全体で第2四半期として過去最高の売り上げを記録した」と語った。

 また、センサーの歩留まり問題についても、歩留まり改善は期初計画通り進捗していて、「2024年度第4四半期には正常なランレートを達成できる見込みだ」とした。

 足元ではスマホへのAI(人工知能)搭載が進むが、早川氏は「スマホへのAI機能とサービスの実装は、その進捗スピードや初期的評価により、ハイエンド市場に短期的なボラティリティをもたらしている側面もあるが、中長期的にはAIのもたらす利便性がスマホ機能の魅力を増すことで市場の活性化とハイエンド製品へのシフトを促すものと期待している」と述べていた。

2024年度第2四半期のI&SS分野業績と通期予想[クリックで拡大] 出所:ソニーグループ 2024年度第2四半期のI&SS分野業績と通期予想[クリックで拡大] 出所:ソニーグループ

通期見通しを下方修正、大手顧客の生産計画見直しで

 ソニーは、I&SS分野の2024年度通期見通しについて、モバイル機器向けイメージセンサーの販売数量の減少により、売上高が前回予想(2024年8月時点)から800億円減の1兆7700億円、営業利益を同250億円減の2500億円とした。大手顧客の2024年度の生産計画が見直されたことを反映したものだという。

ソニーグループ社長の十時裕樹氏 出所:ソニーグループ ソニーグループ社長の十時裕樹氏 出所:ソニーグループ

 ソニーグループ社長の十時裕樹氏は、この生産調整に関する影響については、来期以降の見通しを変えるものではないと説明。また、大手顧客へ一極集中するリスクに関しては、「これは昨今始まった話ではなく、われわれとしてはできるだけ、当社の技術を磨き、いろいろな顧客に使ってもらえるようにすることが重要だと考えている」と述べていた。

 稼働率については、2024年度第2四半期、設営ベースで月産15万2000枚(3カ月の平均値)で、ウエハー投入枚数も1カ月当たり15万2000枚(同)とフル稼働だった。2024年度第3四半期も設営ベースが月産15万2000枚(同)、投入枚数も1カ月当たり15万2000枚(同)とフル稼働を見込んでいる。大手顧客の生産計画見直しの影響について十時氏は、「その分3月末の在庫が少し持ち上がる形になる。今のところ生産キャパシティーを大きく変えなくてはいけないとは認識していない」と説明した。

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