AI向け半導体の大型化に伴い、先端パッケージングの主戦場は、従来の円形ウエハーから大型の矩形パネルへ移行している。こうした中でPanel-Level Packaging(PLP:パネルレベルパッケージング)技術を強化しているのが半導体製造装置大手Lam Researchだ。今回、Lamの担当者がPLP向け装置事業の詳細を語った。
AI向け半導体の大型化に伴い、先端パッケージングの主戦場は従来の円形ウエハーから大型の矩形(くけい)パネルへ移行している。こうした中でPanel-Level Packaging(PLP:パネルレベルパッケージング)技術を強化しているのが半導体製造装置大手Lam Research(以下、Lam)だ。今回、Lamの担当者がPLP向け装置事業の詳細を語った。
Lamは半導体製造の前工程におけるエッチングや成膜などの装置で高いシェアを有することで知られるが、後工程向けでも、銅めっき成膜装置「SABRE」シリーズや、深いシリコン貫通ビア(TSV)を加工できるエッチング装置「Syndion」シリーズなど多くの装置を有している。2025年9月には先端パッケージ向けとして、60μm以上の膜厚で成膜できるプラズマ化学蒸着(PECVD)装置「VECTOR TEOS 3D」を発売し、日本で記者説明会も行っていた(下記リンク参照)
同社は2022年、オーストリアのウェットプロセス半導体製造装置メーカーSEMSYSCOを買収し、PLP向けに特化した技術および開発チームなどを獲得していて、2026年5月20日にはザルツブルクにPLP技術に特化した拠点「Panel-Level Packaging Center of Excellence(以下、Panel CoE)」を正式開設するなど、事業を強化している。Lamは今回、現地でメディア向け説明会を開催し、同社のウェット装置テクノロジーシステム コーポレートバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーを務めるAaron Fellis氏がPLP用装置事業について説明した。
Fellis氏がまず示したのが、AIチップの大型化によって高まるPLP需要だ。AIサーバ向けでは、1パッケージに搭載するGPU自体の大型化に加え、GPUおよび広帯域メモリ(HBM)の搭載数も増加している。またHBMは現在主流の8層品や12層品から、今後は16層以上への高積層化が進む見通しで、より高密度な配線も求められるようになる。
こうした状況からAIパッケージ全体のサイズは急速に拡大している。Fellis氏によれば、AIチップのパッケージのレイアウトサイズは、2024年頃にはレチクルの約3.3倍だったのが、次世代品では9倍にまで拡大しつつあるという。
その上で、従来の300mmの円形ウエハーでは、角部分にデッドスペースが発生することに加え、パッケージ大型化によって1枚当たりで取れる数も減少するため、コストや歩留まり面で不利になると指摘。これに対し、矩形の大型パネルを用いるPLPでは、より高い空間利用効率を実現できるとした。例えばレチクルの約5.5倍に相当する84mm×54mmクラスのパッケージでは、300mmウエハーでは8個だったのが、310mm角なら15個、510mm角なら54個、さらに600mm角なら77個を1枚のパネルで製造できることになる。Fellis氏は「1回で処理できるパッケージ数が増えることで製造コストを下げられ、業界全体の効率も向上する。パネルは新たなフロンティアだ」と強調した。
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