EAGLYSは「人とくるまのテクノロジー展 2026 YOKOHAMA」に出展し、秘密計算技術を用いたマテリアルズインフォマティクス(MI)プラットフォーム「EAGLYS ALCHEMISTA」を紹介した。機密情報を明かさずに企業間の連携が行えるもので、材料開発の期間短縮に貢献する。
EAGLYSは「人とくるまのテクノロジー展 2026 YOKOHAMA」(2026年5月27〜29日)に出展し、秘密計算技術を用いたマテリアルズインフォマティクス(MI)プラットフォーム「EAGLYS ALCHEMISTA」を紹介した。
近年、材料開発の分野では、AIやデータサイエンスを活用して新材料の探索などを行うマテリアルズインフォマティクス(MI)の取り組みが加速している。背景には、従来の試行錯誤型の手法による開発が限界に近づいていることや要求の高度化、AI技術の進展などがある。
しかし、MIの効果を最大化するためには、1社での取り組みだけでは不十分だ。材料開発では、材料サプライヤーが最適と考える製造条件と、材料を採用するバイヤーが求める性能評価の基準の双方を踏まえる必要があるからだ。そのため、サプライヤー側が保有する製造データだけでなく、バイヤー側が持つ評価データも含めて活用することが重要になる。
こうした製造条件や評価基準は機密情報でもあることから、従来は企業間で十分に共有することは難しかった。その結果、「詳しくは言えないが硬さを改善してほしい」といった曖昧なやりとりしか行えず、サプライヤーとバイヤーの認識にずれが生じることもあった。こうしたずれは手戻りを招き、開発の長期化につながっていた。
EAGLYS ALCHEMISTAはこうした課題の解決を目指したMIプラットフォームだ。秘密計算技術と物性予測AIモデルを活用することで、機密情報を開示することなく企業間での連携を実現する。
連携する2社が実験/評価データや原材料の配合比率などをそれぞれEAGLYS ALCHEMISTAにアップロードすると、自動的にデータを統合してAIモデルを構築。機密情報は互いに暗号化した状態で企業横断の実験シミュレーションを行い、それぞれがどの条件を変更すれば目標とする特性に近づくかを解析できる。
下図はEAGLYS ALCHEMISTAのサンプル画面で、左側がサプライヤーの画面、右側がバイヤーの画面だ。材料の配合比率や物性予測結果に加え、目標とする特性に対して各材料がどの程度影響しているかを確認できる。
画面下半分のグラフでは、自社が関与する項目は紫色、相手企業が関与する項目は緑色で示されている。左側のサプライヤー側の画面を見ると、目標とする特性に対する貢献度は相手企業(バイヤー側)のほうが大きいことが読み取れる。このように、機密情報そのものを開示することなく、どちらのデータが目標特性に大きく影響しているかを把握できることが特徴だ。
さらに、下図はサプライヤーのサンプル製造からバイヤーによるサンプル評価までの「すり合わせ材料開発」の1ループをシミュレートした画面だ。左側の白い文字はExcelから読み込んだ仮想実験の条件で、中央の青や紫の文字はAIモデルに関する情報、右側の緑や黄色のマスは推論結果だ。推論結果は0〜100で示され、数値が大きいほど目標とする特性に近いことを意味する。
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