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AmazonはNVIDIAに挑戦状を突きつけるのか自社チップ販売に向け交渉中か(1/2 ページ)

世界最大のハイパースケーラーであるAWSは、AIアクセラレーターを大規模に販売することで、半導体市場の好機を捉えようとしているのだろうか。

» 2026年06月24日 11時00分 公開
[Majeed AhmadEE Times]

 NVIDIAの5兆米ドル規模に達する“半導体帝国”が、新たな課題に直面しているようだ。同社の2大顧客が現在、自社製AIチップをデータセンター企業へ直接販売する計画を立てているという。Googleは2026年4月に、自社製TPUを選定顧客へ販売する計画を発表していて、そして現在ではAmazonが、自社製AIチップ「Trainium」を他のメーカーに直接販売し、各社のデータセンターで使用してもらうべく話し合いを進めているところだ。

 実際、AmazonのCEOであるAndy Jassy氏は2026年4月に、こうした動きについて株主向け書簡の中で通知していた。同氏は「Amazonが自社製チップのラックをサードパーティー企業に販売する可能性は十分にある。われわれの自社製チップ事業は、年間ランレートが200億米ドルを超えた」と記している。

 Amazonの半導体ポートフォリオは、CPU「Graviton」と、AIアクセラレーターTrainiumおよび「Inferentia」、ネットワークカード「Nitro」で構成されている。Gravitonは、ArmベースのCPUで、Intel/AMDの従来型の主力サーバ向け製品を置き換える、低消費電力の代替品となる。

2018年以降、Amazonは「Graviton」を5世代分、市場に投入してきた 出所:Amazon 2018年以降、Amazonは「Graviton」を5世代分、市場に投入してきた 出所:Amazon

 Trainiumは、大規模な機械学習モデルのトレーニングや動作向けに設計された、専用のAIアクセラレーターだ。一方でInferentiaチップは、特に機械学習推論向けに最適化された、カスタム設計の専用プロセッサである。Amazonは「Inferentia AIチップは、AIモデルからの応答を生成する際の実行コストを40%低減できる」と主張している。

 報道によると、Uberは、外部パートナーの中で最初にAIチップ「Trainium3」を採用する企業となるようだ。さらにスタートアップAnthropicは、AWSが提供するデータセンターにおいて、100万個超のTrainiumチップを導入する予定だとしている。ここで言及すべきは、Amazonが、AIアシスタント「Claude」で最もよく知られているこのAnthropicに、40億米ドルを投じているという点だ。それに応えてAnthropicは、AWSが同社の主要なクラウド/トレーニングパートナーであることを明言している。

あまり公にならないAmazonの半導体ビジネス

 しかし、Amazonの半導体事業は、どちらかというと謎に包まれている。200億米ドル規模に達する半導体事業が、ほとんど話題に上らないのだ。またそれは、AppleやGoogleが先駆けとなって、さまざまな規模の自社製ハードウェアでカスタムチップの開発/展開を手掛けてきた、半導体事業モデルを反映している。以下に、Amazonが2015年にAnnapurna Labsを買収したことから始まったAmazonの半導体事業の旅路について、取り上げていきたい。

 Amazonは、Annapurna Labsを3億5000万米ドルで買収したことにより、カスタムメイドのシリコンソリューションの基礎を構築した。この自社製半導体の専門技術を入手したことで、2019年頃からカスタムAIシリコンの開発に着手し、その1年後にはTrainiumを発表した。「Trainium1」は、主にAWSで推論ワークロードに対応するために設計された、比較的規模の小さいチップである。

TSMCの3nm世代プロセスを適用するTrainium3 出所:Amazon TSMCの3nm世代プロセスを適用するTrainium3 出所:Amazon

 2024年に発表された「Trainium2」は、前世代品であるTrainium1に比べて4倍の高性能化と3倍のメモリ大容量化を目指して開発された。また、高度な熱管理機能や構成部品数の削減などの高機能化により、コンピュート性能の大幅な向上を実現している。このような性能向上は、特にAIモデルのトレーニングにおいて大いに役立った。

 2025年後半に発表された「Trainium3」は、Trainium2と比べて最大4倍の性能向上を実現する、クラウドの大規模生成AIモデルのトレーニング/実行向けに設計された3nm世代適用のAIアクセラレーターだ。AmazonのAI部門責任者であるPeter DeSantis氏によると、このTrainium3はほぼ完売しているという。

 米国テキサス州オースティンに拠点を置くAnnapurna Labsは、Gravitonの開発を複数世代にわたりサポートしてきた。Amazonは最近、この汎用プロセッサをMetaへ出荷し始めたところだという。

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