SK hynixが韓国での生産能力拡大に向け、1100兆韓国ウォン(約118兆円)を投資する。併せて2026年7月10日には、米NASDAQ市場に米国預託証券(ADR)として上場する見込みだ。
韓国のメモリチップメーカーSK hynixは、韓国国内生産能力の拡大に向け、1100兆韓国ウォン(約118兆円)規模の中長期的な投資計画を発表した。同社はこの拡張計画のための資金を調達すべく、米NASDAQ市場に上場申請する予定だという。
SK hynixが次世代メモリ製品の出荷を開始したことを受け、金融市場では、現在のAIインフラ投資のペースが減速した場合に何が起こり得るのかという点について考察が行われている。
SK hynixは、高性能メモリソリューションの需要に対応すべく、韓国国内の3つの主要な半導体開発地区全体をまたぐ多面的な拡大戦略を正式に策定した。同社は、半導体開発地区「Yongin Semiconductor Cluster」に600兆韓国ウォン(約64兆円)を投じる予定だという。今のところ同地区では、当初の計画よりも12年早い2033年までに、4つ目の工場の建設が完了する見込みだ。
さらに同社は、韓国・清須市に100兆韓国ウォン(約10兆円)規模を投じ、新しいNAND工場を建設して製造装置を導入し、広帯域メモリ(HBM)に必要なパッケージング能力を拡充していく予定だという。また国内南西部にも、400兆韓国ウォン(約43兆円)を複数段階に分けて投資する予定だとしている。
SK hynixのプレジデント兼CEO(最高経営責任者)であるKwak Noh-Jung氏は、高度産業に関する国家ブリーフィングの中で、地理的拡大の論理的根拠について述べている。同氏は「AI業界は、トレーニングの段階を経て、AIサービスが大規模導入される時代へと突入した。Yongin地区だけでは、将来的な市場ニーズを満たせないだろう。現在の供給制約や増大する需要により、当社にとって生産能力の拡大は不可欠なものになっている」と主張する。
Kwak氏は「SK hynixは、清須市に計100兆韓国ウォンを投じる予定だ。その内訳は、NAND製造工場『M17』に80兆韓国ウォン、先進パッケージング工場『P&T7』に20兆韓国ウォンとなる。われわれは清須市を、韓国のメモリ半導体業界の競争力をけん引する主要ハブとして再構築する考えだ」と述べている。
またSK Groupは、これらの工場を支援すべく、韓国全土で15GW規模のAIデータセンターインフラを建設する予定だという。
HBMは、AIデータ処理において非常に重要だが、既存のDRAMと比べるとウエハー1枚当たりのチップ生産量が少ない。HBMは、シリコン貫通電極(TSV:Through Silicon Vias)を使用して積層チップを接続するため、チップサイズが拡大している。HBMの製造の割合が高まる中、ウエハー生産能力のさらなる増強が求められている。
SK hynixは自社製品の開発を推進し、最近では主要顧客向けに12層メモリ「HBM4E」のサンプル出荷を開始している。この新しいメモリモジュールは、データ転送速度が1ピン当たり最大16Gビット/秒(Gbps)で、旧バージョンと比べて20%の電力効率向上を実現したという。
また製造プロセスでは、同社の独自技術「advanced MR-MUF(Mass Reflow Molded Underfill)」を適用し、メモリチップの熱抵抗を17%低減したとする。このため、HPC(High Performance Computing)の環境でも高い信頼性で動作する。
SK hynixのプレジデント兼最高開発責任者であるAhn Hyun氏は、このHBM4Eの製品供給に関するコメントとして「われわれは、市場をリードする技術能力と製造関連の専門知識をベースとして、HBM4EでAIリーダーシップを強化していくための基盤を構築した。また、パートナー各社との密接な連携により、その量産実現を目指していく」と述べている。
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