東京大学は、光強度とひずみ(伸縮)を1つのセンサーで検知できる「フレキシブルマルチモーダルセンサー」の開発に成功した。このセンサーをアレイ状に並べると、ヘルスケアやロボットの電子皮膚など、ストレッチャブルエレクトロニクスに応用できる。
東京大学大学院工学系研究科の按田智大大学院生(当時)、横田知之准教授、染谷隆夫教授らによる研究グループは2026年7月、光強度とひずみ(伸縮)を1つのセンサーで検知できる「フレキシブルマルチモーダルセンサー」の開発に成功したと発表した。このセンサーをアレイ状に並べると、ヘルスケアやロボットの電子皮膚など、ストレッチャブルエレクトロニクスに応用できる。
研究グループは今回、有機光検出器(OPD)と伸縮性基板を組み合わせるとともに、規則的なしわ構造をOPDに作り込んだ。具体的には、あらかじめ引き伸ばした伸縮性基板上に、厚さ数マイクロメートルのOPDを貼り付ける。その後、伸縮性基板の引き伸ばしを解除することで、OPDにしわ構造を持たせた。
特に今回は、伸縮性基板の表面に、あらかじめ微細な凹凸パターンを形成しておき、OPDを転写した。こうした工夫によって、しわの幅と高さを制御した構造に仕上げた。この結果、伸縮時の応力がデバイス全体へ均一に分散されるようになり、機械的耐久性が向上した。
試作したセンサーの短絡電流(ISC)と開放電圧(VOC)を計測し、光強度とひずみ量を推定した。開放電圧は光強度のみに依存し、素子の形状やひずみには影響を受けない。一方で、短絡電流は光強度だけでなく、光が当たっている素子の有効受光面積にも比例する。デバイスを伸長すると、しわが平たん化することで有効受光面積が広がり、短絡電流は増加した。試作したセンサーでは、光強度が1W/m2で、ひずみは5%の分解能で同時に推定できた。
電流を流さず単一原子磁石の情報読み書きに成功、東大
転写プロセスに頼らない集積回路用プラットフォームへ道筋、東大ら
2次元半導体を用い室温で発光を電気的に制御、東大ら
直径1nmの半導体ナノチューブの合成に成功、東大ら
金属二次電池向け電解液の設計指針確立、東京大ら
SiCの理論限界に迫る低損失 AlN系SBDの動作実証に成功Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
記事ランキング