ニデックは2026年9月4日、同社グループにおける品質不適切行為などについて、外部専門家で構成する調査委員会の調査報告書を公表した。調査では品質不適切行為844件が認定され、うち60件は法令違反疑いなどの重大事案とされた。
ニデックは2026年9月4日、同社グループにおける品質不適切行為などについて、外部専門家で構成する調査委員会の調査報告書を公表した。調査では品質不適切行為844件を認定。顧客の承認を得ずに材料や工程を変更する「4M変更違反」の他、試験/検査結果の改ざん/捏造、顧客の承認を得ないリワーク、顧客との合意に反する材料の使用などが確認された。
調査委員会は、不適切行為の発生や継続を許した組織の状態を「不健全な状態」と指摘。その背景として、グループの急速な規模拡大に見合う経営/管理体制の整備の遅れ、事業の実態に見合わない業績目標やコスト低減の要求、品質保証に必要な人員や独立したけん制機能の不足などを挙げた。
調査委員会の委員長である伊丹俊彦氏は同日に開催された記者会見で、複数の事業部門(BU)/拠点でさまざまな品質不適切行為が確認され、その一部が長期間にわたって業務運営に組み込まれ、反復/継続されていたと指摘。「会計不正問題に続き、製造業の根幹に関わる品質保証の領域において、この規模の不適切行為が明らかになったことは、極めて重大だ。会社は、こうした事態を招いたことを重く受け止め、報告書に記載されている改善策の提言も参考にしながら、改善策を今後実行していく必要がある」と総括した。
ニデックは、会計不正を受けた社内調査によって2026年5月までに1000件を超える不適切行為の疑いを把握。これを受けて調査委員会が設置された。調査委員会は、社内調査で把握した事案を引き継いで精査するとともに、約9万人が回答したアンケートやAIアバターによるヒアリング、フォレンジック調査などを実施し、品質不適切行為844件を認定した。なお、305拠点の全役職員9万7663人を対象としたアンケートには8万9973人が回答。品質不適切行為を認識していると回答したのは全体の約4%の3731人だったという。
品質不適切行為844件のうち60件が「重要品質事案」、784件が「一般品質事案」に分類された。BU別にみると、ニデックインスツルメンツ(NIST)が585件で69.3%を占め、ニデックモビリティ(NMOJ)が125件、ニデックテクノモータ(NTMC)が57件と3部門で約9割を占めた。行為類型では、4M変更違反が805件(95.4%)と大半で、試験/検査結果の改ざん/捏造が22件、検査/製造条件違反が11件、その他が6件となった。
品質不適切行為844件とは別に、産地表示などに関する不適切行為も6件確認された。
重要品質事案は、役員/拠点長が関与した事案、最終製品が海外の公的機関向けである事案、法令/認証違反の疑いがある事案、リコールの可能性があると評価された事案、製品安全上の技術的リスクが高いと評価された事案――という5つの「重要品質基準」のいずれかに該当するものだ。その行為類型別内訳は、4M変更違反が28件(46.7%)、試験/検査結果の改ざん/捏造が22件(36.7%)、検査/製造条件違反が5件(8.3%)などとなっている。BU別では、NISTが18件と最多で、小型モータ事業本部(SPMS)と車載既存事業本部(AMEC Organic)が各10件、NMOJが8件、NTMCが7件と続いた。
なお、伊丹氏は、調査委員会は法令違反の有無やリコールの要否、安全性そのものを評価/認定していないと説明。重要品質基準ごとの件数に関する質問への回答は差し控えたが、「海外の公的機関向け」の事案については「現在のところない」と説明した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
記事ランキング