「NVIDIAのチップ以外、全てそろう」ロボット市場攻めるST : PCIM Europe 2026 (3/3 ページ)
STが狙うロボティクス用途の例として、会場ではNVIDIAの「Jetson Orin」を搭載した自律移動ロボット(AMR)も展示した。
電源部分には電圧レベルや充電などを管理するパワーコントローラーを配置し、緊急停止にも対応。加速度センサーや磁気センサーなどからの情報を処理するMCU、システム内部で必要な各種電圧を生成するDC-DCコンバーターなども組み込んでいる。モーター制御には評価ボード「EVSPIN32G4-DUAL」を2枚搭載し、それぞれで2基のモーターを制御する。
展示していた自律移動ロボット(AMR)。NVIDIAの「Jetson Orin」を搭載し、モーター制御や電源、センシングなどに多数のST製評価ボードを使用している[クリックで拡大]
ヒューマノイドをはじめとしたロボットには、AI演算を担うプロセッサだけでなく、多数の関節を動かすモーター制御、MCU、パワー半導体、センサー、通信、BMSなど、多岐にわたる半導体が必要になる。STは、こうしたロボット内部の幅広い領域を1社でカバーできることを競争力として打ち出す。担当者はSTの製品群について「ダイオードから高度なMCUまで、そして数ワットの用途に使うMOSFETから数百キロワット級にも対応する炭化ケイ素(SiC)まで、われわれのポートフォリオは非常に幅広い」と強調。そのうえで、STの強みについて「製品の種類の多さだ。NVIDIAのチップ以外は、ほぼSTの製品だけを使ってシステムを構築できる。それが最大のメリットだ」と語っていた。
なお、STはNVIDIAとの協業も強化している。2026年3月には、STのセンサーやMCU、モーター制御ソリューションをNVIDIAのロボット開発エコシステムと統合する協力を発表。その後、ロボティクス/フィジカルAI向け安全システム「NVIDIA Halos for Robotics」にも参画している。こうした補完関係も生かしながら、ロボティクス市場での事業拡大を狙っていく構えだ。
人の動きをまねるロボットで実演 STのフィジカルAI向け製品群
STマイクロエレクトロニクスは「TECHNO-FRONTIER 2026」で、人の姿勢を認識して同じ動きを再現するロボットや、制御基板を一体化したモーターのデモを披露した。センサーやマイコン、電源、モータードライバーを組み合わせ、フィジカルAIを支えるソリューションとして提案する。
Infineonが狙う70の関節、ヒューマノイド1台「500ドル」の商機
ヒューマノイドロボットには最大70程度のモーター制御系が搭載され、半導体の部品表(BOM)の40〜50%をモーター制御関連が占める――。Infineon Technologiesは、ヒューマノイド1台当たりで同社が獲得可能な半導体市場を平均約500米ドルと試算。特にモーター制御では窒化ガリウム(GaN)の採用拡大を見込んでいる。
ヒューマノイド開発、「標準インタフェース」が不可欠に
ヒューマノイドロボットの開発において、通信インタフェースの重要性が増している。MIPI AllianceはフィジカルAI分野の専門グループを立ち上げ、インタフェースの標準化を急ぐ。
「試用期間」のヒューマノイドも TE掛川工場の取り組み
TE Connectivity Japanは、主に自動車向けコネクターを生産する掛川工場(静岡県掛川市)を報道陣に公開した。同工場では、プレス、めっき、成形、組み立てまでを一貫して手掛けるほか、自動化や製造データの活用を進め、品質と生産性の向上に取り組んでいる。現在は、人と同じような動きが可能なヒューマノイドロボットも試験的に導入している。同工場の様子と、ものづくりを支える取り組みを紹介する。
ヒューマノイドロボット出荷、2026年上期2.2万台
カウンターポイントリサーチによれば、2026年上期(1〜6月)におけるグローバルヒューマノイドロボットの出荷台数が2万2000台を超えた。前年同期に比べ約300%の増加となる。2026年通期の出荷台数は、前年比210%増の5万台超と予測した。
「フィジカルAIは日本がけん引 早く動くべき」NVIDIA CEO提言
富士通は2026年7月16日、ファナック/安川電機/川崎重工業とともに、フィジカルAIの社会実装に向けた事業検討を開始したと発表した。プラットフォーム構築にはNVIDIAのフィジカルAI技術を活用する。メディア発表会にはNVIDIA CEOのJensen Huang氏も登壇し、「フィジカルAIによる新しい産業革命は、日本がけん引するだろう」と語った。
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