最後は「(4)スマートフォン iPhoneの放熱技術」の概要を述べる。なおこの項では、iPhone以外のスマートフォンが採用した放熱技術も説明している。
騒音を生じる強制空冷は、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスでは採用が難しい。筐体における自然空冷と、音が生じない放熱技術を組み合わせることになる。例えば2000年代には、発熱源から熱を周囲に拡散させる高熱伝導シート(グラファイトシート)が採用された。
2013年には、NECカシオ モバイルコミュニケーションズがスマートフォン「Medias X N-06E」の放熱にヒートパイプ(蒸発熱を利用する細長いパイプ状の熱輸送素子)を初めて導入した。2016年にはSamsung Electronicsがベイパーチャンバー(蒸発熱を利用する平面状の熱輸送素子)とグラファイトシートを組み合わせたモデル(「Galaxy S7」)を発売した。
「iPhone」では2025年モデル(「iPhone 17 Pro Max」)がベイパーチャンバーを採用したことで話題となった。実装技術ロードマップ本体では、「iPhone 17 Pro Max」が搭載したベイパーチャンバーのX線透過写真や断面構造写真などを掲載した。
(次回に続く)
⇒「福田昭のデバイス通信」連載バックナンバー一覧
国際間の競争が激化する研究開発
日本政府の科学技術・イノベーション政策
JEITAが「実装技術ロードマップ」を2年ぶりに発行、電子機器やパッケージなどの技術動向をアップデート
シリコンフォトニクスと先進パッケージの統合が描く未来
AI/HPCの性能を左右する電源供給網の安定化(前編)
ネットワークの大規模化と高速化が電気から光への転換を促すCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
記事ランキング