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「世界最薄」のMEMS発振器が登場、厚みはわずか0.25mm電子部品 タイミングデバイス

» 2008年09月25日 14時35分 公開
[R. Colin Johnson,EE Times]

 「世界最薄」をうたうMEMS(Micro Electromechanical Systems)発振器が登場した。厚みはわずか0.25mm。米SiTime(サイタイム)社が開発した「SiT8002XT」である。スマート・カードや超薄型携帯電話機、フラッシュ・メモリーを使うSSD(Solid State Drive)、SiP(System in Package)モジュール、マルチチップ・モジュールなどを狙う。

 2007年8月から量産出荷している同社の第1世代のMEMS発振器「SiT8002」を基に、パッケージ内で積層していた2枚のチップを、横に並べて実装することで薄型化した。実装面積は増えたものの、厚みを1/3にできたという。

図 4端子XLLGA封止。外形寸法は3.5mm×3.0mm×0.25mmである。出典:米SiTime社

 同社でマーケティング担当バイス・プレジデントを務めるPiyush Sevalia氏は、「開発品は、現在のところ世界で最も薄く、既存の最薄品の約1/3だ」と主張する。同社によれば、開発品の登場前に最も薄かった品種は厚みが0.7mmだったという。

 第1世代品のSiT8002では、MEMS技術を使って共振子を作り込んだチップと、これを駆動する回路やPLL回路をCMOS技術で集積したチップの2枚を積層して内蔵していた(参考記事「SiTimeが次世代MEMS振動子を開発、対応用途をさらに拡大へ」)。これに対し今回のSiT8002XTでは、2枚のチップを横に並べて実装した。この結果、パッケージの実装面積は3.5mm×3.0mmと、第1世代品の最小パッケージの2.5mm×2.0mmに比べて大きくなったが、厚みは前述の通り0.25mmと、従来品の0.85mmから低減した。

 パッケージは4端子のXLLGAである。出力周波数については、1M〜125MHzの範囲で任意の値をユーザーが指定可能だ。受注後にその周波数を同社があらかじめ設定してから、48時間以内に出荷する。周波数誤差が−40〜85℃の範囲で±100ppmの品種と±500ppmの品種を用意した。電源電圧については、1.8Vもしくは2.5V、3.3Vと異なる品種をそろえる。

 すでにサンプル出荷を始めており、量産出荷を2008年第4四半期中に始める予定である。1万個購入時の単価は1.5米ドル。

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