ダイヤモンドMOSFETで初の200V、1AのSW動作を達成 : 耐圧550V、ドレイン電流0.8A
Power Diamond Systemsは、耐圧550Vでドレイン電流0.8AのダイヤモンドMOSFETを開発し、初めて200V、1Aのスイッチング動作を実現した。
Power Diamond Systemsは2026年3月、耐圧550Vでドレイン電流0.8AのダイヤモンドMOSFETを開発し、初めて200V、1Aのスイッチング動作を実現したと発表した。
ダイヤモンド半導体は、ワイドバンドギャップや高い絶縁破壊電界など優れた物性値を備えていて、次世代のパワーデバイス材料として注目されている。こうした中、実用化に向けては高耐圧化と低オン抵抗化を両立させることが課題となっていた。特に高耐圧化の点では、ゲート端部に電界が集中することで、ドレイン−ソース間の耐圧が制限されていた。大電流化についても、小型デバイスを多数並列接続する必要があったという。
そこで今回、ダイヤモンド半導体デバイスを研究開発するスタートアップのPower Diamond Systemsは、これまで培ってきたダイヤモンドMOSFETに関する基盤技術を基に、フィールドプレート構造を新たに導入した。これにより、ゲート端部における電界集中を抑え、高耐圧化に成功した。同時に、デバイスの大面積化にも取り組んだ。これによって、小型デバイスを並列接続しなくても大電流駆動が可能となった。
作製したMOSFETの光学顕微鏡写真および、電流−電圧特性、耐圧測定、スイッチング特性の測定結果[クリックで拡大] 出所:Power Diamond System
「動く」ダイヤモンドMOSFETを展示、2030年代実用化へ連携模索
Power Diamond Systems(PDS)は「SEMICON Japan 2025」で、ダイヤモンドMOSFETが動作している様子を展示した。2026年以降は、EVや基地局など具体的なアプリケーションを手掛ける企業と連携を進め、2030年代の実用化を目指すとする。
産総研とホンダ、ダイヤモンド半導体の研究開発拠点
産業技術総合研究所(産総研)およびAIST Solutionsは、本田技研工業の研究開発子会社である本田技術研究所と連携し、モビリティ用ダイヤモンドパワー半導体やこれを応用した電子デバイスの開発拠点を産総研内に設立した。
堀場製作所がインドの人工ダイヤモンド新興を買収
堀場製作所のグループ会社であるホリバ・インドは、人工ダイヤモンドの研究開発を手掛けるインドのスタートアップ「Pristine Deeptech」の全株式を取得し、子会社化した。これを機にインドを、ダイヤモンドウエハーを含む先端材料の実用化と普及に向けた分析/計測ソリューションの研究開発拠点と位置づける。
大面積のダイヤモンド/シリコン複合ウエハー開発
産業技術総合研究所(産総研)とイーディーピーは、ダイヤモンドデバイス製造に向け、大面積のダイヤモンド/シリコン複合ウエハーを開発した。多数の小さなダイヤモンドをシリコンウエハー上に1200℃という高温で接合すれば熱ひずみを抑えられ、汎用の露光装置を用いて微細加工が可能なことを実証した。
ダイヤモンドを用いた高周波半導体デバイスを開発、佐賀大ら
佐賀大学と宇宙航空研究開発機構(JAXA)および、ダイヤモンドセミコンダクターは、ダイヤモンドを用いてマイクロ波帯域(3〜30GHz)やミリ波帯域(30〜300GHz)で増幅動作が可能な「高周波半導体デバイス」を開発した。オフ時の耐電圧は4266Vで、電力利得の遮断周波数は120GHzだ。これらの値はいずれも世界最高レベルだという。
低温低圧、短時間でナノダイヤモンドを合成
東京大学の研究グループは、原子分解能透過電子顕微鏡を用い、「アダマンタン(Ad)」の結晶に電子線照射を行い、大きさがそろった球状の「ナノダイヤモンド(ND)」を、低温・低圧という条件下で短時間に合成した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.