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フェムトセル市場が年率83.6%で成長へ、In-Stat社が予測ビジネスニュース 市場予測

» 2010年07月16日 15時16分 公開
[Peter Clarke,EE Times]

 米国の市場調査会社であるIn-Stat社によると、超小型基地局「フェムトセル」の売上高は、2009年から2014年にかけて年率83.6%もの高い成長率を記録し、その出荷数は、2014年に約3180万台に達するという。

 In-Stat社は2010年の時点で、フェムトセルの年間出荷数が300万台を超えると見込むが、一方で、予測を明確に公開したわけではない。同社は、フェムトセルの価格下落のスピードが、2010年の出荷数の上昇を左右すると考えており、価格の下落がなければ、2010年の出荷数は280万台に留まるとしている。

 なお、マイクロセル基地局の2009年から2014年の売上高は、年14.2%という緩慢なスピードで増加していく。その一方で、世界中の携帯電話キャリアが導入しているピコセル基地局の2009年から2014年の売上高は、年378%の勢いで伸びていくという。

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 フェムトセル基地局の需要を左右するのは、携帯電話事業者による4G回線への移行である。既存の3G回線の通信エリアにLTEやWiMAXのフェムトセル基地局を導入すると、比較的低コストかつ短期間で通信エリアを拡張できる。携帯電話事業者とっては、手っ取り早く、安上がりな事業戦略といえる。

 In-Stat社でアナリストを務めるAllen Nogee氏は、「今後、電力効率を高めた、より低価格で小型化されたピコセル基地局やマイクロセル基地局が実現するだろう。室内向けのピコセル基地局やマイクロセル基地局などの小型デバイスは、以前から出回っていたものの、その役割は、今後変わっていくだろう。

 なお、企業向けフェムトセル基地局や都市部向け屋外ピコセル基地局などといった新しいタイプの基地局は、米Freescale社や米Qualcomm社、イスラエルPercello社、イスラエルDesign Art Networks社そして英国Picochip社といった企業が開発した半導体を採用することで、2009年にようやく実現に至っている」と述べた。

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