米国半導体工業会(SIA:Semiconductor Industry Association)は、2010年の半導体市場予測を上方修正した。
SIAは、2010年の半導体売上高が3005億米ドルまで伸び、2009年比32.8%増という記録的な結果になると見込む。さらにSIAは、2011年の同売上高が前年比6%増の3187億米ドル、続く2012年には前年比3.4%増の3297億米ドルに達すると予測する。
またSIAは、2009年から2012年の間の年平均成長率は13.4%と予測している。
SIAのプレジデントを務めるBrian Toohey氏は、発表資料の中で、「世界中のさまざまなエンドマーケットで需要が高まったため、2010年は記録的な売り上げになった」と述べている。同氏は、「景気が回復し、消費者の購買意欲が改善すれば、2012年までは緩やかな成長が続くと期待している」とコメントを結んでいる。
SIAは2009年に、年次イベントにおいて、2010年の売上高は前年比10.2%増の2421億米ドルで、続く2011年の売上高は、成長率がやや鈍化する結果8.4%増の2623億米ドルになると予測していた。
その後2010年6月に、SIAは半導体市場予測を上方修正し、2010年の世界半導体売上高は前年比28.4%増の2905億米ドルとなり、2011年の売上高は前年比6.3%増の3087億米ドル、続く2012年の売上高は前年比2.9%増の3178億米ドルとなると発表している。
一方、市場調査会社である米国のガートナーは、2011年の半導体市場の成長率は1けた台で穏やかな増加にとどまると予測しており、これについて上方修正は行っていない。具体的には、2010年9月にガートナーは、2011年の半導体市場成長率を4.6%と予測した。また同社は2010年の半導体市場の成長率を31.5%と予測していたが、これについても修正していない。同社は、2012年以降の半導体市場の成長率はそれぞれ2012年に1.8%増、2013年に6.5%増、2014年に6%増になると予測している。
また、市場調査会社である米国のVLSI Researchは最近、同社が事前に発表した2010年の半導体市場予測を引き下げ、2011年の予測については上方修正した。同社の最新の予測によると、半導体市場は2010年には前年比32%増と大幅に成長し、2011年には前年比8%増となる。前回の予測では、同社は2010年と2011年の半導体市場の成長率をそれぞれ33.7%増、6.6%増と見込んでいた。
同社による半導体製造装置市場の予測には修正はない。一方でファブツール市場については、2010年が103%増、2011年が10.6%増になると同社は予測している。
さらに、市場調査会社である米国のアイサプライは最新の報告書の中で、2011年の半導体業界の売上高は前年比5.1%増になると予測しており、半導体業界は2010年の好景気の後、穏やかな成長期に「ソフトランディング」するとみている。
同社では、半導体市場の売上高は、2010年には3020億米ドルとなり、2011年には3174億米ドルとなると予測している。同社は現時点で、2010年の半導体市場の売上高は、半導体市場が景気の低迷による影響を受けた2009年に対して32%増加すると予測している。
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