世界有数の電装部品メーカーであるデンソーとワインの間には意外な関係があった。
IT&エレクトロニクス総合展「CEATEC JAPAN 2013」(2013年10月1〜5日、幕張メッセ)に、世界有数の電装部品メーカーであるデンソーが初めて出展する。主な展示物は、同社が注力している、住宅とクルマをつなぐHEMS関連機器や産業機器などである。
これらの展示の中に、デンソーのイメージと異なる一風変わった製品があるので紹介しよう。ワインセラーとワインセーバーだ。
デンソーはカーエアコンのトップメーカーであり、カーエアコンの空調に必要となる高度な冷凍技術も有している。この冷凍技術を応用して開発したワインセラーを、10数年前から販売しているのだ。そして、今回のCEATECでは、モデルチェンジしたばかりのワインセラーとともに、新開発のワインセーバーを披露した。
ワインは、封を開けてしまうと酸化が始まって香りと味が変化してしまう。飲み残しのワインの味が落ちてしまうのはこの酸化によるものだ。そこで、ワインボトル内を真空状態にして、飲み残しのワインの酸化を抑制し、長期間ゆっくりとワインを楽しむため用いられているのがワインセーバーである。ただし、現在市販されているワインセーバーは、手動のポンプで空気を抜く製品がほとんどで、自動で空気を抜く製品は業務用の大型のものしかない。
今回デンソーが披露したワインセーバーは、単4電池2本で動作する内蔵の電動ポンプを使って、ワインボトル内を自動で真空状態にすることができる。専用の栓により真空度を7日間保つことができ、その間は酸化が進まない。ソムリエによる評価も行っており、「開封から10日経過しても、味わいや香りに問題がないという意見もいただいた」(デンソー)。
ワインセーバーの開発では、電装部品に用いるバルブやモーターの技術が活用されている。外観デザインも社内デザイナーが行った。デンソーの説明によれば、「上品なデザインに仕上げたので、ワイン好きの方が自分用に購入する以外に、贈答品としての需要も見込んでいる」という。
このワインセーバーは2013年10月下旬から限定販売を開始する。価格は8000〜1万円を予定している。
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