Googleが、スマートフォンを自作する「Project Ara」を進めている。機能ブロックごとにモジュール化し、好きなものを組み合わせてカスタマイズしたスマートフォンを作るというものだ。Googleは同プロジェクトで「60億の人々をスマートフォン分野に引き込む」としている。
Googleが“メイカームーブメント”に期待を寄せている。メイカームーブメントは、人気はあるものの、その影響はまだ未知数である。それでも、同社の自作スマートフォンプロジェクト「Project Ara」が、スマートフォンをほとんど知らない人たちの関心を引くと確信しているようだ。Googleは、このプロジェクトを通じて60億人もの人々をスマートフォン分野に引き込むことができるとしている。
Project Araは、Googleの傘下であったMotorola Mobilityが始めたプロジェクトで、好きな機能を組み合わせるモジュラー式スマートフォンを製作しようというもの。Googleは2014年4月15〜16日にかけて、米国カリフォルニア州マウンテンビューにあるコンピュータ歴史博物館で、オンラインのイベント「Ara's Developers' Conference」の第1回を開催する予定だ(Project AraのWebサイトから登録できる)。
現在、Project Araを主導するのは、Motorola Mobility出身のPaul Eremenko氏である。同氏はGoogleのブログで「Googleが同イベントに招待しているのは、大手機器メーカーからサプライヤ、新興企業、モバイル分野への新規参入者まで多岐にわたる」と述べている。
Googleは、Motorola Mobilityをレノボに売却したものの、Project Araは「Google Advanced Technology and Project」の一環として手元に残している。同プロジェクトは、米国防高等研究計画局(DARPA:Defense Advanced Research Project Agency)の元ディレクタであるRegina Dugan氏が率いている。
Googleは、Project Araが「60億人のために作られた」としているが、真のターゲットが誰なのかは明確ではない。
モジュラー式スマートフォン、自作スマートフォン、あるいはフルカスタマイズのスマートフォン。どう呼ぶかは自由だが、Project Araは、スマートフォンを機能別のブロックに分解し、完全にカスタマイズ可能なスマートフォンを自作する機会を与える。
米タイム誌(Time)は、Project Araのチームメンバーに詳細なインタビューを行った。同誌はこのプラットフォームは「携帯電話機の電源を落とさずにモジュールの入れ替えができる、いわゆるホットスワップが可能。例えば電池残量が減ってきたら、カメラのモジュールを抜いて、代わりにもう1つバッテリのモジュールを足すといったことができる」と書いている。
GoogleがProject Araで目指しているのは、部品ベンダーやハードウェアメーカーからの解放だ。タイム誌は、「部品メーカーと携帯電話機メーカーの契約に左右されることなく、思い通りのスマートフォンを手に入れることができるようになる」と述べる。
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