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「2014年はウェアラブル機器発展の年」、レノボのCTOインタビューフィットネス以外でも活用分野見いだす(1/2 ページ)

レノボ(Lenovo)は、ウェアラブル向け部門の改革を進めているという。同社のCTOは、「ウェアラブル機器の発展を期待するも、設計にさまざまな制限があり、“勝利の方程式”を導き出すのは難しい」と語る。

» 2014年05月12日 12時34分 公開
[Rick Merritt,EE Times]

 年間売上高340億米ドルを誇るコンピュータ大手Lenovo。同社でCTO(最高技術責任者)を務めるPeter Hortensius氏は、EE Timesとのインタビューの中で、「ウェアラブル向け部門の改革を進めている」と語った。Hortensius氏は、IBMのPCエグゼクティブの経歴を持つ人物である。同氏は、2014年を「ウェアラブル機器の今後の発展につながる重要な年」と位置付ける。同氏はこの他、小規模な半導体設計部門を設立したことも明らかにした。

 Hortensius氏は、「2014年は、ウェアラブル機器がフィットネス分野以外にも活用できることを証明する年だ」と述べる。その一方で、「ウェアラブル機器は、ディスプレイや入力装置、サイズなどにさまざまな制限があり、勝利の方程式を見つけるのは難しい」と指摘している。

Lenovo CTOのPeter Hortensius氏

 同氏は、「Lenovoはウェアラブル市場参入に向けた戦略を用意し、独自に研究を進めている。当社以外のメーカーも、さまざまな戦略を立てている。現在ウェアラブル市場では、数々の取り組みが進んでいて、今後の発展が大いに期待される」と語った。しかし、2014年中に同社初となるウェアラブル製品を発表するかどうかについては明言を避けた。

 Hortensius氏はこの他、Lenovoが半導体設計の小編成チームを設立したことも明らかにした。EE Timesは2013年に、Lenovoがスマートフォンやタブレット端末向けの半導体設計チームを10人規模から100人規模に拡大する計画だと報じている。

 同氏は、「SoCの設計力を持つことの重要性については認識しているが、当社にとって現時点では、大規模な投資を行う事業ではないと考えている。コア設計技術の構築を進めながら、将来的にはコア設計を実施できるように技術力を強化していく計画だが、われわれはCPUメーカーを目指しているわけではない」と説明する。

 同社は現在、PCやスマートフォンの開発部門で、数種類の半導体の設計を進めているという。

 Lenovoが研究開発費として投資しているのは、同社の利益の2%弱にすぎない。ただし、Motorola MobilityやIBMのx86サーバ事業の買収計画を発表していることから、この数字は2014年末に若干増えると予想される(関連記事:グーグルの“3つの戦略”から読む、スマホ市場の動向)。Lenovoの従業員は現在4万6000人ほどだが、Motorolaから2500人、IBMから2000人のエンジニアを獲得する予定だとしている。

 近年多くの企業に見られるように、Lenovoはハードウェアエンジニアよりもソフトウェア開発者の増強を進めている。Hortensius氏は、「他社との差別化を図るには、両者のバランスが重要だと考えている」と述べている。

 Lenovoは、中国語のAndroidアプリケーションを販売するオンラインストアを運営している。Hortensius氏によると、同ストアは1日当たり2000万ダウンロードを記録していて、これまでの総ダウンロード数は60億に上るという。

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