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カード型ワイヤレスキーが可能に! 薄さ0.32mmのLF帯アンテナ――東光TECHNO-FRONTIER 2014(1/2 ページ)

東光は、「TECHNO-FRONTIER 2014」(テクノフロンティア/2014年7月23〜25日、東京ビッグサイト)で、自動車のスマートエントリーシステムで使用されるLF(長波)帯のアンテナとして薄さ0.32mmを実現した超薄型無指向アンテナを公開した。

» 2014年07月29日 13時15分 公開
[竹本達哉EE Times Japan]

 東光は、「TECHNO-FRONTIER 2014」(テクノフロンティア/2014年7月23〜25日、東京ビッグサイト)で、自動車のスマートエントリーシステムで使用されるLF(長波)帯のアンテナとして薄さ0.32mmを実現した超薄型無指向アンテナを公開した。同アンテナにより、クレジットカードサイズのワイヤレススマートキーなどを実現できる。

独創的技術で先端コイルを投入

 コイルメーカーである東光は、「コイルの巻き線技術や積層技術など設計/製造面での技術力を強み」という。競合のコイルメーカーの多くがフェライトなど素材面で技術優位性を発揮しようとする中で、独自の開発戦略であり、「独創的な製品開発を続けている」とする。

「いち早く小型製品を投入したことでシェアを獲得できた」というメタル系パワーインダクタ「メタルアロイ」

 その1つがスマートフォンなどモバイル機器向けの金属材料を用いたパワーインダクタ「メタルアロイ」だ。小型で大電流が扱えるパワーインダクタが求められる中、飽和磁束密度が従来のフェライト材料よりも高い金属材料を用いたパワーインダクタがモバイル機器で主流となりつつあるが、東光は「素材技術に加えて、積層技術など独自の構造、工法を用いたことで、2520サイズ(2.5×2.0mm)といった小型製品をいち早く市場投入できた」とし、「欧米、中国などを含む多くのスマートフォンメーカーに採用され、高いシェアを獲得できている」という。現状、2012サイズ(2.0×1.2mm)まで小型化を図っている他、新製品としてコアロスを従来比30%程度改善させた「DFEUシリーズ」をリリースするなど、常に先行したメタル系パワーインダクタ製品投入を続けている。

スマホでの実績を車載へも

 こうした独創的な製品展開は、5年ほど前から自動車市場へと広げてきた。メタルアロイでは、車載情報機器向けに加え、ECU(電子制御ユニット)向けに155℃対応の「DFEHシリーズ」を投入するなど、モバイル機器同様、小型化/大電流への対応を狙ったフェライト系インダクタからの置き換え需要を狙った提案を行う。パワーインダクタとともに、車載用途に対しては、キーレスエントリーシステムなどスマートエントリーシステムを狙ったLF帯アンテナの製品を投入。「世界シェア40%程度を獲得した」(東光)というスマートキー側の受信アンテナを皮切りに、車体側に搭載する送信アンテナにも参入しさらなるビジネス規模の拡大を目指している。

 そして、スマートエントリーシステム用受信アンテナでも、独創的な技術開発を実施し、TECHNO-FRONTIER 2014で、超薄型LF帯アンテナを参考展示するに至った。

超薄型LF帯アンテナを搭載したICカード(試作)
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