スマートエントリーシステム用受信アンテナは、あらゆる方向からの電波を受信する「無指向性」が要求されるため、タテ、ヨコ、ナナメという3軸のアンテナコイルで構成する必要があり、どうしてもタテ/垂直方向に巻くコイルのために3mm以上の高さが発生した。
これに対し、開発した超薄型LF帯アンテナは、水平方向に巻いたコイル(直径約20mm)を3つ使って、無指向性を実現したもので、コイル部分の厚みはわずか0.32mmと薄い。同一軸の3つのコイルそれぞれのコア(磁性体)の挿入角度をずらすことで、各コイルの指向性を調整し、どの角度からの電波も受信できるようにしたという。感度も、76mV/μTを達成し、「ほぼ従来の受信アンテナの感度レベルであり、技術としては十分実用化水準に達している」という。インダクタンスは4.2mH。
一般にクレジットカードなどの厚さは3mm程度であり、「超薄型LF帯アンテナを使えば、クレジットカードサイズのスマートキーを実現できる」とする。TECHNO-FRONTIER 2014では、超薄型LF帯アンテナ内蔵した試作ICカード(0.76mm厚)による動作デモを披露。東光では、「自動車以外にも家庭用のスマートカードキーとしても応用可能な技術であり、市場の反応を見て、製品化時期を決定したい」としている。
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