IC Insightsが2014年の秋季予測を発表した。それによれば、2014年以降の半導体市場は堅調だが大きな成長は期待できないという。ファウンドリ市場でのシェアの低下に頭を悩ます中国は、今後はファブレス企業の設立に力を入れていくとしている。
米国の市場調査会社であるIC Insightsは、2014年の秋季予測を発表した。同社のプレジデントで、同報告書を作成したBill McClean氏によると、「2014年以降の半導体業界は、堅調ではあるが、大きな成長は期待できない。成長率は1桁台後半と予想される」という。
2014年は、電子システムの売上高が5%増加し、これに伴って半導体売上高は7%増になると予想される。設備投資額は2013年には3%減少したが、2014年は12%増に転じる見通しだという。
McClean氏は、「中国は電子システムの消費では市場をけん引し続けるが、中国の半導体メーカーが大きく好転することはないと予想される」と述べている。同氏の報告書によると、2014年の半導体市場では意外なニュースがいくつかあったが、それ以外は特に大きな変化はなく横ばい状態が続くと予想される。
意外なニュースとは、具体的には次の3点だ。
2014年のDRAMとアナログ半導体の売上高は、わずかではあるが増加する見込みだ。ロジックICは2014年も引き続き、半導体市場で最も大きいシェアを占める見通しだ。しかし、ロジックICの販売価格の低下によって、半導体市場全体の販売価格が3%下がると予想される。
タブレット端末/携帯電話機向けプロセッサは成長分野の1つだが、過去2年間、成長率は鈍化していた。2014年は、13〜19%に回復する見通しだ。その他の成長分野には、ワイヤレス、パワーマネジメント、車載半導体がある。
McClean氏は、半導体市場の長期予測について、「2015年は若干の成長が予想され、その後は6〜7%増と穏やかな成長が続く。ただし、2017年には、マクロ経済の落ち込みが懸念される」と述べている。
2014年の半導体市場では、TSMCの生産量がIntelを上回ったことが注目を集めた。ファブレス半導体企業は安定した成長を続けており、TSMCも同様の成長を見せた。
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