2015年7月29日に正式にリリースされる「Windows 10」。従来、OSのアップグレードは、大量のPCの買い替えサイクルを促してきた。だが、「そのような時代は過ぎた」とするアナリストもいる。
少し前まで、Windowsの新しいオペレーティングシステム(OS)のリリースは大量のPCの買い替えを促進し、PC売上高を2桁台のパーセントも伸ばす要因となっていた。だが、今やそうした現象は過去のものとなった。
2015年は、PC売上高が再び下落する年になるとみられる。2015年7月29日に正式リリースされる「Windows 10」も、そうした流れを変えられそうにない。
IHSのコンピュータ・サーバ・ストレージ部門で上級主席アナリストを務めるCraig Stice氏は「新しいOSのみが、PCの買い替えサイクルを促進する日々は過ぎた」と述べた。
Gartnerによると、タブレット端末やスマートフォンのようなモバイルコンピューティング・プラットフォームに対する消費者の好みが変わる中、PCの世界出荷台数は3年連続で減少している。Stice氏やその他のアナリストは、このような動向は2015年も続くと確信している。
IDC(International Data Corporation)によると、2015年第2四半期におけるPCの世界出荷台数は、前年同期の7500万台から12%減少し、約6610万台に落ち込んだ。
IDCでPC世界市場を担当するバイスプレジデントのLoren Loverde氏によると、第2四半期の減少幅は予想より大きかったが、大方の予測とは一致するという。
IHSのStice氏は、PCメーカーはWindows 10のリリースに先立つ2015年上半期に、かなり慎重な在庫管理を行っていたと述べた。同氏はEE Timesに対し、「PCメーカーは現在、控え目な在庫計画を遂行中だ。Windows 10とIntelの第6世代『Core』プロセッサ(開発コードネーム:Skylake)の発表に先立ち、PCメーカーは売れ残った在庫の量を最小限に抑えたがっている。そうすることで、より新しい技術に置き換えるのが狙いだ」と述べた。
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