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電界式ジェスチャーICが15インチ対応、車載向けへマイクロチップが「カーエレ展」でデモ展示

Microchip Technologyは、「国際カーエレクトロニクス技術展」(2016年1月13〜15日/東京ビッグサイト)で、電界検出式3DジェスチャーICを活用したデモ展示を行った。

» 2016年01月25日 10時30分 公開
[庄司智昭EE Times Japan]

 Microchip Technology(マイクロチップ・テクノロジー)は、2016年1月13〜15日に東京ビッグサイトで開催された「国際カーエレクトロニクス技術展」で、電界検出式3Dジェスチャーコントローラ「MGC3130」を活用した車載ディスプレイを展示した。

MGC3130 「MGC3130」を活用した車載ディスプレイ (クリックで拡大)

コスト削減にメリット

 MGC3130は、ジェスチャーから電界の変化を検出し、動きの追跡ができる同社独自の技術「GestIC」を採用。検出距離は0〜20cmで、解像度は200ドット/mm。インタフェースはI2C/SPIを搭載している。処理時の消費電流は20mA、ディープスリープモード時は、9μAである。また、近接検出による自動復帰機能を搭載し、約100μAの消費電流で動作が可能だ*)。反応速度は約5ミリ秒とし、「細かい操作は向いていないが、シンプルで早い操作をリアルタイムに検出する」(同社)という。

*)消費電流に関しては、マイクロチップ・テクノロジーが公開している資料を参照

 MGC3130を活用した車載ディスプレイのデモでは、機器に触れることなく、簡単な手の動きから、カーナビの地図情報を動かしたり、ズームしたりできる様子が見られた。MGC3130のメリットは、コストが抑えられる点という。従来は、カメラや画像処理、ソフトウェアなどを搭載する必要があり、「一概には言えないが約300米ドルのコストを必要としていた」(同社)。MGC3130を活用した車載ディスプレイは、MGC3130と静電容量の変化を取り出す電極基板を追加するだけなので、約30米ドルで済むとしている。

MGC3130 4つの近接センサーが電界の強さを受信したデータ。動きのパターンを予測しながらアウトプットを行っていることで、反応速度5ミリ秒を実現したという (クリックで拡大)

カーエレ展では、15インチに対応

 MGC3130は、2012年11月にオーディオやモバイル機器などの民生用として展開を開始。2015年1月には、次世代製品を発表している。「組込み総合技術展/Embedded Technology 2015(ET2015)」では、7インチディスプレイまでの対応だったが、今回はファームウェアを改良したことで、15インチのディスプレイまで対応している。

 同社は、「車載向けコントローラとしては2016年6月ごろに展開をする予定であり、現在は、車載ICの品質規格であるAEC-Q100やPPAPへの対応を進めている」とした。

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