Ericssonは、「Mobile World Congress 2016」の会場で、「5G(第5世代移動通信)」「クラウド」「IoT(モノのインターネット)」という重点3領域を中心に、具体的な事例やデモを交えて最新技術を紹介した。
エリクソン・ジャパンは、Ericssonが「Mobile World Congress 2016(MWC 2016)」の自社ブースで行った主な展示・デモ内容を紹介する記者説明会を2016年3月23日に開催した。同社はネットワーク化社会の実現に向け、「5G(第5世代移動通信)」「クラウド」「IoT(モノのインターネット)」を重点3領域として捉え事業を展開する。MWC会場では、こうした事業戦略に対して、具体的な事例やデモを交えて最新技術を紹介した。
「Mobile World Congress 2016(MWC 2016)」は、2016年2月22〜25日にスペイン・バルセロナで開催された。同社の展示ブースは6つのゾーンに分かれ、全体で116に及ぶシステム及び製品のデモ/展示を行った。MWCに向けて同社は11件の新技術/新製品を発表した。
記者説明会では、エリクソン・ジャパンのCTO(最高技術責任者)を務める藤岡雅宣氏が、展示した技術/製品の中から、5Gに向けた最新技術やパートナー企業と共同研究を行っている事例などを紹介した。
藤岡氏は、「今回は5G無線テストベッドによるデモを大々的に行った」と話す。64個(8×8)のアンテナ素子を搭載したアンテナユニットを4台組み合わせた無線ユニットと2種類の端末機器を会場に設置。端末機器側を上下左右に移動させてビームフォーミングとトラッキングに関するデモを行った。また、マルチユーザー(MU)MIMOやダイナミックTDD技術を用いることで、ダウンリンクのスループットは「最大27Gビット/秒を観測した」(藤岡氏)という。
スウェーデンやドイツ、オランダ、スペインなどのパートナー企業と共同で、実証実験を行っている5Gのユースケースをいくつか紹介した。ABBとは、工場の製造ラインに設置された産業用ロボットを遠隔地から制御するシステムの検証を行っている。トラックメーカーのScaniaとは、車両のエネルギー消費効率を高めるための隊列走行に関して実証実験を行っているという。この他、ドローンによる風力発電機の監視システムなども会場で紹介した。
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