約370億米ドルという半導体史上、最高額の買収案件が完了した。新生Broadcomとして生まれ変わったAvago Technologiesは今後、コスト削減策を進める予定だ。複数の事業部門を売却することで、約3億米ドルを削減したいとしている。
Avago Technologies(以下、Avago)によるBroadcomの買収が2016年2月1日(シンガポール時間)に完了し、新生Broadcomが誕生した。その後の1カ月で、CEO(最高経営責任者)を務めるHock Tan氏は、既に着々と経営再建策を進めてきた。しかし同氏は、その全容については詳細を明かしていない。同氏は、AvagoでもCEOを務めていた人物だ。
Tan氏は、新生Broadcomの中核事業について検討すべく、上層部で約24の既存事業を利益部門と不採算部門に分類したという。部門ごとに、ターゲット市場や技術目標を設定し、同氏に直属するゼネラルマネジャーを置く。同氏の予測によると、2016年4〜6月期の連結売上高は35億5000万米ドルとなる見込みで、米ウォール街の予測である35億7000万米をわずかに下回ることになる。
Tan氏は、「次の四半期は、2016会計年度の中では底辺の時期となるだろう。当社の8インチウエハー工場では現在、Appleの次世代『iPhone』に向けたRF部品の製造を開始している」と述べた。
同氏は、旧Broadcomの事業を一部廃止することにより、約3億米ドルのコスト削減を見込めるとしている。同氏は、2015年5月に今回の合併を発表して以来初めてとなる、アナリストとの四半期決算カンファレンスコールにおいて、「複数の事業部門が対象となる予定だが、必ずしも無線関連の部門であるとは限らない。現在まだ検討中のため、詳細を明かすことはできない」と述べている。
新生BroadcomのCFO(最高財務責任者)を務めるAnthony Maslowski氏は、「当社にとって初となるコスト削減策であるため、積極的に売却先を模索していくつもりだ。今後、売却対象部門のリストに追加が生じる可能性があるが、現在は最初のリストに関する取り組みを進めているところだ」と述べる。
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