インターシルを買収したルネサス エレクトロニクスは2017年3月3日、事業組織を2017年7月までに段階的に改変すると発表した。インターシル買収で事業規模拡大を見込む汎用半導体を専門に扱う事業本部などを設ける。
ルネサス エレクトロニクスは2017年3月3日、2017年2月24日にIntersil(インターシル)の買収を完了させたことを受け、事業組織体制を改正すると発表した。これまで1つの事業本部として展開してきた非車載用半導体事業を、主に産業分野向け半導体を扱う事業本部と汎用半導体を扱う事業本部の2つに分割する他、サプライチェーンマネジメント本部、中国事業統括本部を新設する。
インターシル買収に伴う組織改正は、2017年3月から2017年7月までの期間で段階的に実施する。組織改正の狙いについてルネサスは「インターシルとの融合を進め、日本を中心としたこれまでの事業運営から脱却し、地域に捉われずグローバル組織として運営する『One Global Renesas』を企図した真のグローバルカンパニーを目指す」とする。その上で、「販売マーケティング部門、事業部門などの機能別組織を改め、責任範囲の拡大と明確化による新たな事業体制への進化、またサプライチェーン機能の一体強化、特定地域での戦略的な事業強化を行い、盤石な組織体制を段階的に構築していく」とコメントしている。
これまで、車載用半導体を扱う「第一ソリューション事業本部」と、車載用半導体以外の半導体を扱う「第二ソリューション事業本部」の2事業本部体制を敷いてきた。これを2017年4月1日付で3事業本部体制に移行する。従来の第二ソリューション事業本部を特定分野別ビジネスを基軸にする「インダストリアルソリューション事業本部」と、インターシル買収で高成長を見込む汎用製品ビジネスを基軸とする「ブロードベースソリューション事業本部」に分割し3事業本部とする。ブロードベースソリューション事業本部の本部長は、インターシル社長兼CEOで2017年2月24日付でルネサス執行役員常務に就任したNecip Sayiner氏が就任する。第一ソリューション事業本部についても、名称を「オートモーティブソリューション事業本部」に変更する。
2017年7月1日には、新たな3事業本部にそれぞれに販売部門、マーケティング部門を移行し「各事業本部の収益責任を明確にし、事業のオーナーシップの強化を狙う」(ルネサス)。逆に、社内の各部門に分散配置してきたサプライチェーンマネジメント機能は統合し「サプライチェーンマネジメント本部」を新設する(2017年7月1日付)。
この他、2017年3月1日付で中国事業統括本部を新設。「グローバルな組織運営を志向する一方、特に成長機会が大きい中国においては、地域特有の取り組みが個別に必要と判断した」とし、中国での販売マーケティング、設計開発、生産機能を一体化させ中国での需要に応じた事業展開を強化する方針。
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