ON Semiconductor(オン・セミコンダクター)は2016年11月、都内で戦略説明会を実施。Fairchild Semiconductor(フェアチャイルド・セミコンダクター)の買収に合わせて実施した事業組織の狙いや、日本への投資方針などを明らかにした。
ON Semiconductor(オン・セミコンダクター)は2016年11月30日、東京都内で記者向けに戦略説明会を開催し、日本国内での製品開発、製造、販売サポートの強化に向けた投資を積極的行う方針を明らかにした。
同社は2011年に買収した三洋半導体を母体にした事業部門「システム・ソリューションズ・グループ」(以下、SSG)を設置し、日本国内で製品の設計開発、製造を実施してきた。
ただ、2016年9月19日にFairchild Semiconductor(フェアチャイルド・セミコンダクター)の買収を完了させたのを機に、事業組織の再編に着手。「補完性のある技術や類似した市場フォーカスを持つビジネスユニットをグループ化し、注力用途分野に対するソリューションの提供力を強化する」という考えで事業部門を再構築。パワーソリューショングループ(PSG)、アナログソリューショングループ(ASG)、イメージセンサーグループ(ISG)の3事業部門グループに再編した。
SSGの5つの事業部/ビジネスユニットも再編対象で、それぞれ新しい3つの事業部門グループに再配置された。パワーFETやIGBTを手掛ける「HD事業部」と、インテリジェントパワーモジュール(IPM)などを手掛ける「IPM事業部」はPSGに。モータードライバーやイグナイタ―を扱う「iPS事業部」とポータブルサウンドソリューション、パワーバンクを手掛ける「DS事業部」は、ASGに。オートフォーカス、光学手振れ補正用ICを手掛ける「IMDビジネスユニット」はISGに再配置された。
その結果、SSGという旧三洋半導体を母体とし日本に主力を置く事業部門が解消されたが「今後も、日本での設計開発機能などの強化に向けて投資は継続する」(コーポレートストラテジ&マーケティング担当副社長 David Somo氏)と明言。旧SSGの各ビジネスユニットは、日本に拠点を置きながらグローバルビジネスを手掛けていくとする。
ASGインテリジェントパワーソリューションBUのシニアディレクター兼ジェネラルマネージャを務める川崎郁也氏も「三洋半導体の買収から時間が経過し、(各事業部/ビジネスユニットがそれぞれが)ON Semiconductorに入っても、何ら問題がないほどにシームレスな状態になっていた」とした上で「(再編により)ビジネスユニット間でより技術補完できるようになり、競争力を向上できる」との期待感を示した。
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