三菱電機が研究開発成果の披露会を開催した。披露会では、IoTやAIを含む20点の研究開発成果を紹介すると同時に、同社の研究開発の戦略についても説明。さらに、機器やエッジへの組み込みを想定した同社独自のAIブランド「Maisart」も発表した。
三菱電機は2015年5月24日、研究開発成果の披露会を開催した。披露会では開発本部長の藤田正弘氏が登壇し、研究開発成果を20点紹介するとともに、三菱電機の研究開発戦略について語った。
藤田氏は冒頭で、研究開発成果の一覧表を公開した。三菱電機は研究開発成果を「IoT」「スマートモビリティ」「快適空間」「安全安心インフラ」の4つのカテゴリーで分類すると同時に、その中で短期〜中長期的な研究を“明日への切符”、長期的な研究を“未来への扉”と表している。「三菱電機の研究開発戦略の根幹は、この時間の枠組みとカテゴリーに表れている」と藤田氏はいう。
藤田氏は時間の観点から、研究開発の方針について説明した。藤田氏によると、三菱電機は研究開発を短期、中期、長期の3つの観点でバランスよく進め、社会の課題解決に資する新技術の実現を目指すという。短期では現在の事業を徹底強化し、中期では技術や事業の枠を超えた新たな価値の創出を目指す。また、短期〜長期にわたっては共通基盤技術の深化に取り組む。
一方、超長期的な視野においては、内閣府が策定した「第5期科学技術基本計画」で掲げられた「Society 5.0」や、国連で採択された「持続可能な開発目標(SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS:SDGs)」から未来の社会を想定し、その実現に必要な技術の開発を進めていく。そのためにオープンイノベーションを進め、他社や他企業と連携する方針を打ち出している。
「三菱電機の研究規模は今後さらに拡大する」と藤田氏は語る。同社は2017年の研究開発費に前年比約5%増の2120億円を投じるつもりだ。大学などの研究機関との共同研究費については、2014年の約4倍に当たる金額を投じる計画を立てている。研究開発費の使途は、短期的研究テーマに50%、中期に30%、長期に10%、短期〜長期の研究テーマ全てに通じる基盤技術に10%としている。
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