マクニカとMouser Electronics(マウザー エレクトロニクス)は2017年5月25日、業務提携を結んだと発表した。両社は提携に基づき、量産サポートまでを提供する半導体、電子部品販売Webサイトを共同で運営していく。
マクニカとMouser Electronics(マウザー エレクトロニクス/以下、Mouser)は2017年5月25日、業務提携を結び、両社の社名を冠した半導体、電子部品販売Webサイト「macnica-mouser.jp」を開設した。提携に基づき両社は、日本国内の電子部品ユーザーに対し、電子部品選定、調達を試作から量産までにわたって一貫してサポートするサービスの構築、提供を目指す。
両社の提携の狙いは、試作設計用の電子部品販売、サポートが主力のMouserと、規模の大きい量産用途向け電子部品販売、サポートが主力のマクニカの強みを融合させ、試作設計から量産に至るまでの電子部品に関するサービスを切れ目なく提供することにある。
試作設計現場では、品ぞろえが多く小ロット購入に対応するWeb通販サイトで電子部品を購入する傾向が強くなっている。しかし、設計開発を終えて量産を行う際には、まとまった数量の調達や各種サポートが必要になるため、半導体や電子部品を扱う商社から購入するケースがほとんどだ。設計開発段階と量産段階で部品購入先が異なるため、ユーザーは、試作から量産まで連続的に購入先からサポートを受けることができなかった。
試作から量産までをシームレスにサポートするビジネスモデルを目指す動きもあるが、あまりうまくいっていないのが実情だ。実際、マクニカもこれまで、試作開発用途をターゲットにした独自のWeb通販サイト「マクニカオンラインショップ」を展開してきたが「1社では限界があった」(マクニカ社長 中島潔)とし、Mouserとの共同サイト立ち上げにともないマクニカオンラインショップの通販機能を停止し、技術サポート情報提供サイト「マクニカオンラインサービス」にリニューアル。設計開発段階では、さまざまなメーカーの半導体、電子部品を取りそろえて在庫を持つ必要があり、量産向けの販売、サポートを主力にする商社では販売代理店権の関係もあり十分な品ぞろえ、在庫を確保することが難しいためだ。
逆に、Mouserなどの通販型商社は、豊富な品ぞろえを持つ一方で、年間生産量が100万台といった大規模量産を支える供給能力がなかったり、対面での技術サポートや品質サポートが提供できなかったり、十分な量産サポートが提供できない。そこで、マクニカとMouserは、業務提携に至り、共同で試作から量産までを切れ目なくサポートする部品販売、サポートビジネスを展開することになった。
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