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ルネサスとインド電気自動車メーカーが技術提携フォーミュラE向けで(1/2 ページ)

ルネサス エレクトロニクスとインドの電気自動車メーカーMahindra & Mahindraが、戦略的提携を発表した。ルネサスは、Mahindra & MahindraのフォーミュラEのレーシングチームの公式スポンサーとなり、自動運転車など向けのプラットフォーム「Renesas autonomy」をベースに、レーシングカーや量産車のPoC(proof-of-concept)の開発を進めていく。

» 2017年12月01日 08時00分 公開
[村尾麻悠子EE Times Japan]

ルネサスがマヒンドラと提携

 ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)とインドの電気自動車メーカーであるMahindra & Mahindra(マヒンドラ&マヒンドラ、以下、Mahindra)は2017年11月30日、“F1の電気自動車バージョン”であるフォーミュラEのシーズン4開幕を控えた香港の「グランドハイアット香港」で記者会見を開催。ルネサスが、Mahindraのマヒンドラ・レーシング・フォーミュラEチームのオフィシャル・テクノロジー・パートナーとなり、戦略的提携を締結したと発表した。

ルネサス エレクトロニクスとマヒンドラ・レーシング・フォーミュラEチームは、戦略的提携を締結した 出典:Mahindra

 フォーミュラEは、電気自動車のフォーミュラカーでレースを行うシリーズだ。1シーズンを約9カ月とし、全10チームが参加して、世界の10〜12都市でレースが行われる*)。マヒンドラ・レーシング・フォーミュラEチームは、唯一のインド系メーカーのチームだ。シーズン3では、レーシングカー「M3Electro」を投入して走行。チーム戦で第3位を獲得している。

*)シーズン1は2014年9月に北京から始まった。直近となるシーズン3は、2017年7月にカナダ・モントリオールのレースで終了。2017年12月2日から新たにシーズン4が香港から始まる。香港でのレースは12月2〜3日の2日間、開催される。

 ルネサスとMahindraは、ルネサスが2017年4月に発表した自動運転車などの開発に向けたプラットフォーム「Renesas autonomy」をベースに、フォーミュラE用レーシングカーおよび量産車のPoC(Proof of Concept:機能の実用化に向けた検証工程)の開発を進めるとともに、その他の項目でも提携していくという。さらにルネサスは、今回の提携を通して、まだ本格的に参入し切れていないインドの自動車市場を開拓することを狙う。インドをはじめとする新興市場に向け、電気自動車、パワートレイン、ADAS(先進運転支援システム)などを開発、製造すべく提携関係を拡大する。

ルネサスのロゴが入った、マヒンドラ・レーシング・フォーミュラEチームのレーシングカーのイメージ。実物は、2017年12月1日中に香港でお披露目される 出典:Mahindra
ルネサスの吉岡真一氏

 ルネサスの執行役員兼オートモーティブソリューション事業本部 副本部長の吉岡真一氏は、自動車業界の3つの大きなトレンドとして、電気自動車、コネクテッドカー、ADASを挙げ、「Mahindraとの提携は、電気自動車の性能の向上につながる貴重な機会だ。フォーミュラEは単なるレースではなく、“自動車技術のコンテスト”でもある」と語った。

 マヒンドラ・レーシング・フォーミュラEチームのCEO兼Team Principalを務めるDilbagh Gill氏は、ルネサスとの提携について、「単なる“提携”以上のものだと考えている。電気自動車ではソフトウェアの重要性が増しており、ルネサスの技術は、われわれのチームのレーシングカーの進化を加速させると確信している。長くパートナーシップを形成していくことを楽しみにしている」と語った。

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