メディア

3nmチップ搭載の最新スマホ3機種を分解 三者三様の設計思想とはこの10年で起こったこと、次の10年で起こること(100)(1/5 ページ)

今回は2025年後半に発売された3nmプロセッサ搭載スマートフォン3機種を分解する。基本構成は近しいものの、コア数など内訳は各社各様なことがわかる。

» 2026年02月26日 11時00分 公開

チップ写真は多くを語る

↑↑↑>>>連載一覧へ<<<↑↑↑

 今回は本連載の100回目。2015年にテカナリエを創業して、すぐに連載を持たせていただいたEE Times Japanに心から感謝しております。多くのユーザーに活用していただいているテカナリエレポート(有償)も現在965号まで発行済みで、今夏には1000号を達成できる予定だ。テカナリエレポートは1号あたり50ページ程度の資料なので、単純計算で総計5万ページになる。

 年間平均すると約150製品を分解し、約500チップを開封しているので、10年で約1500製品の分解、約5000チップの開封データベースを持つことができた。AIの活用では得られない情報も多数報告させていただいている(そもそもネット空間には肝心な情報がないものが多い)

 過去10年の分解の中で最も多いものがスマートフォン。次いで各種ガジェット、CPUやGPUなどのPC関連、車載機器、特殊用途となる。半導体が搭載されるものは網羅的に観察しているが、話題性の高さ、進化の速度、入手容易性などから、スマホが多くなっている。

 「どういった基準で機種を選定しているか」「XXXの分解予定はあるか」と言った質問をいただくこともある。回答は「プロセッサ基準で選定している」だ。ハイ/ミドル/ローにかかわらず、新規プロセッサが搭載されたモデルは網羅的に入手し、分解してチップを開封している。一度開封したプロセッサを搭載した製品は、別メーカーの話題機種であっても分解対象にはならない。あくまでもプロセッサやメモリなど、半導体目線での分解を継続して行っている。

 網羅的にプロセッサを開封しているのは、筆者が半導体メーカーでの設計開発を通じて、シリコンデザインに魅了されたからだ(ICからSoC[System on Chip]まで、100近い製品を実際に設計してきた)。決して全てではないが、チップ写真は多くを語ってくれる。設計思想、製品の方向性、メーカーの文化などをチップ写真は映し出している。これからもただひたすら、実シリコンの観察をベースに活動を進めていきたいと思っている。いわゆる「百聞は一見にしかず」「ブラックボックスで半導体を語らない」を貫きたい。

 半導体がここ数年注目され、多くの情報や意見が識者から語られており、筆者も年30回ほどセミナーや講演会では語らせていただいているが、実際にはどんな言説や情報よりも、実シリコンを見ることの方がよっぽど有益だと思っている(連載100回目なので生意気なことを言ってすみません)

 今回は2025年後半に発売された、3つのスマホ向け3nmプロセッサを取り上げたい。なお、Appleの「A19」「A19 Pro」は本連載の97回目「まるでAppleチップの「展示会場」 iPhone Airを分解」で取り上げているので、今回は割愛した。

       1|2|3|4|5 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

特別協賛PR
スポンサーからのお知らせPR
Pickup ContentsPR
Special SitePR
あなたにおすすめの記事PR

RSSフィード

公式SNS

All material on this site Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
This site contains articles under license from AspenCore LLC.