続いて、送受信チャンネルを増やした、8チャンネル(8レーン)の光送受信モジュールの例を以下に示そう。これも2つの例がある。1つは、マルチコアの光ファイバーを使って各コアに1チャンネル(1レーン)の光信号を通す方式(SDM:Spatial Division Multiplexing)である。もう1つは、各チャンネルに異なる波長の光信号を割り当てる方式(DWDM:Dense Wavelength Division Multiplexing)である。
SDM方式の光送受信モジュールを、送信側から説明しよう。光送信器では、1波長の半導体レーザーの光をシリコン光導波路で8チャンネル(8レーン)の光信号に分割する。各チャンネルで電界吸収型光変調器(EA光変調器)によってオンオフ変調をかける。そしてマルチコア光ファイバーの各コアに、各チャンネルの光を結合する。すなわち1本のマルチコア光ファイバーによって8チャンネルの光信号を伝送する。光受信器では、各コアの光をチャンネルごとにフォトダイオードで受光して電流信号として検出し、TIAを介して8チャンネルの電圧信号として受信する。
次に、DWDM方式の光送受信モジュールを、送信側から説明しよう。光源には、8種類の波長の異なる光信号を出力する半導体レーザー、または半導体レーザーアレイを使う。半導体レーザーの光出力(波長の異なる8種類の光信号)を1本のシリコン光導波路に通し、カスケード接続した8個のリング変調器によってオンオフ変調をかける。ここで重要なのは、8個のリング変調器が変調する光波長がすべて異なっており、8チャンネルの光信号の各波長に対応しているということである。
変調済みの光信号は、1本のシングルモードファイバーによって伝送される。光受信器では受信した光信号を、リング共振器型の波長選択フィルターによって各チャンネルに分割する。それから、チャンネルごとにフォトダイオードで光信号を検出し、TIAを介して8チャンネルの電圧信号として受信する。
(次回に続く)
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