ソニーグループのイメージング&センシングソリューション(I&SS)分野の2025年度第2四半期(2025年7〜9月)売上高は前年同期比15%増の6146億円、営業利益は同50%増の1383億円でそれぞれ四半期実績として過去最高を更新した。モバイル向けおよびデジタルカメラ向けイメージセンサーの増収が主な要因だ。
ソニーグループ(以下、ソニー)は2025年11月11日、2025年度第2四半期(2025年7〜9月)連結業績を発表した。イメージング&センシングソリューション(I&SS)分野の売上高は前年同期比15%増の6146億円、営業利益は同50%増の1383億円といずれも四半期実績として過去最高を更新した。モバイル向けおよびデジタルカメラ向けイメージセンサーの増収が主な要因だ。
I&SS分野の売上高は為替のマイナス影響が105億円分あったものの、モバイル向けイメージセンサーの販売数量増および製品ミックス改善による増収やデジタルカメラ向けイメージセンサーでの増収から、前年度比791億円増の増収となった。営業利益も為替のマイナス影響が80億円分あったが、増収の影響で同459億円の大幅増益になった。
ソニーの執行役最高財務責任者(CFO)である陶琳氏は「スマートフォン製品市場はグローバルで緩やかな回復基調が継続している。大手顧客の新製品向けセンサーの大判化に伴う単価上昇に加えて、前回想定を上回る出荷数の増加によって当四半期のモバイル機器向けイメージセンサー売り上げは、前回同期から大幅に伸長した」と説明。またハンドヘルドなどの新しい動画撮影スタイルのカメラ市場拡大も売り上げ成長に貢献しているという。
ソニーは、I&SS分野の2025年度通期見通しについて、為替のプラス影響を考慮し、売上高を前回予想(2025年8月時点)から300億円増の1兆9900億円、営業利益も為替のプラス影響およびコスト減少によって前回予想から300億円増の3100億円に、それぞれ上方修正した。陶氏は「年間売上高見通しは、上期を通じて追加関税等に起因する顧客の部品取り込みの前倒しがあった可能性も考慮し、為替影響を除くと前回から据え置いた」と説明。そのうえで「今後、もう一段の上積みの可能性がないか、第3四半期を通じて慎重に見極めていく」とした。
同社執行役員 経営企画管理、ディスク製造事業、ストレージメディア事業担当の堀井直也氏も「上期は出荷数量が想定を上回ったが、年度の見通しはいったん据え置いた。セット側のサプライチェーンが米国関税の問題や生産地のシフト等を含め、若干不透明感がある。われわれが出荷したセンサーがそのまま製品となってマーケットに出ていっている部分と、サプライチェーンのパイプラインに残っている部分、これをもう少し見極めたい」と説明した。
2025年度の利益成長についてはイメージセンサーの売り上げ拡大に加え、低収益事業の見直しやリソースおよび費用の重点領域へのシフトによる固定費マネジメントも大きく寄与しているといい、陶氏は「本中期経営計画期間においては、引き続き事業オペレーションや開発の効率化に注力し、次期中計ではこれに加え、事業の拡大と設備投資の効率化を両立する施策を検討することで継続して事業の収益性改善に取り組んでいく」とした。
なお同分野での通期業績への関税の影響については、前回見通しでは200億円分のマイナス影響を織り込んでいたが、今回の見通しでは計上していない。堀井氏は「最終製品市場の動向や顧客からの受注の状況等も踏まえ、今回、この分野で織り込み続ける必要はないと判断し見込みから外した」と説明した。
工場の稼働率は2025年度第2四半期、設営ベースで月産15万7000枚(3カ月の平均値)で、ウエハー投入枚数は1カ月当たり15万5000枚(同)だった。2025年度第3四半期は設営ベースは月産16万1000枚(同)、投入枚数は1カ月当たり16万枚(同)を見込んでいる。
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