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セルラーLPWA向け製品、成功するための要素を探る技術、市場動向が断片化する中(2/3 ページ)

» 2018年09月05日 11時30分 公開

デバイスの寿命

 グローバル・アプリケーションを成功させるには、セキュアかつ最新で汎用性の高いデバイスを配備する必要がある。リモートデバイス管理のデファクトスタンダードとして浮上しているのが「LWM2M(Light Weight Machine to Machine:軽量M2M)」だ*3)

*3)参考資料:その1その2

 オープン・モバイル・アライアンスによってリリースされたLWM2Mは、センサーネットワークのリモート無線管理を目的としており、ファームウェアの更新やセキュリティパッチからドライバの更新やデバイス構成の変更までを、物理的な操作をせずに一括して実施できる。低データレートで消費電力に制限のあるデバイス向けに最適化されており、5〜10年以上の運用を目標としたLTE-MおよびNB-IoTデバイスに適している。

 LWM2Mを使用すれば、デバイスに格納されている「デバイス管理オブジェクト」(論理的にグループ化された値を保持するデータ構造)を使用して、監視、通知、制御、コマンド実行、アクションのトリガーなどの標準機能またはカスタム機能を実行することにより、LPWAデバイスを効率的に管理できる。

 例えば、シェア自転車に搭載されている追跡デバイスを照会して、行方不明になった自転車を捜索することができる。また、自宅のドアや窓を監視するように警報システムを設定し、それらの一つが開いたときに通知を送信することも可能だ。さらに、家庭用エアコンなどのデバイスのオン/オフを遠隔操作で切り替えることもできる。

 ホーム・セキュリティ・パネルの例を考えてみよう。設置時には、特定のMNO(モバイルネットワーク事業者)が、最適で最も手頃な料金プランを提供しているかもしれない。運用開始時にMNOを選択できるという柔軟性は強力だ。デバイスを入れ替えることなく、そのような決定を将来にわたっていつでも変更できれば、画期的である。

ワン・ワールド、ワン・デバイス

 グローバル化の進展に伴い、製品設計者が直面する複雑度は増加する一方だ。技術の進化や適応範囲の断片化などを考慮しなければならず、MNOの多様性とその地域ごとの要件に対処する必要もある。

 LTEスペクトルは多数の周波数帯に断片化しているため、デバイスメーカーは世界中で複数のSKU(Stock Keeping Unit)を管理する必要がある。これにより地域ごとにネットワークの断片化に対処できるかもしれないが、収集したデータの送信、リモート管理、セキュリティ関連の更新のために、あらゆる場所で通信を必要とするグローバル・ソリューションとしては実用的ではない。

 この問題は、「ワン・ワールド、ワン・モジュール」というビジョンの元、本当の意味でグローバルなセルラーモジュールを開発することによって解決可能だ。これらのモジュールでは、製品開発者が運用開始時まで機器設定を延長できる他、LTEバンドを有効化/無効化する、ホストソフトウェアを変更せずに新しいMNOプロファイルを追加する、無線アクセス技術を選択する、FOTA(Firmware Updates Over-The-Air)/LWM2Mを使用してデバイスを継続的にアップデートする、といったことが可能になる。さらに、単一のソフトウェアバージョンで、あらゆるMNOの認定済みであればベストだ。

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