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インフィニオン、日本が全社の成長をけん引カスタマイズ要求も国内で対応(1/2 ページ)

インフィニオン テクノロジーズ ジャパンは、「日本市場における戦略」や「パワー半導体事業の取り組み」などについて記者説明会を行った。顧客に合わせたソフトウェア開発など、カスタマイズ要求にも国内の開発拠点で対応する。

» 2019年03月27日 10時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

品質や信頼性など日本から学ぶ

 インフィニオン テクノロジーズ ジャパンは2019年3月26日、「日本市場における戦略」や「パワー半導体事業の取り組み」などについて記者説明会を行った。顧客に合わせたソフトウェア開発など、カスタマイズ要求にも国内の開発拠点で対応する。

 インフィニオンは、車載半導体やパワー半導体、セキュリティICなどの分野で強みを持つ半導体メーカーである。これらの製品分野では市場シェアが、首位あるいは2位というポジションにある。

 2018会計年度(2017年10月〜2018年9月)の実績は、全社売上高が約76億ユーロで前年比8%増加した。全売上高の43%を占めるのが車載半導体事業。パワーマネジメント&マルチマーケット(PMM)事業は31%、インダストリアルパワーコントロール(IPC)事業は17%、残りの9%がデジタルセキュリティソリューションズ(DSS)という構成比だ。

 国別売上高の構成比は、中国が25%を占めるなど最も多い。ドイツは15%、日本は7%となっている。ただ、「日本でデザインインされた案件が、海外での現地生産などにより他地域の売上高に含まれるものもある。この分を含めると、日本法人がかかわる売上高は約10%になる」(インフィニオン テクノロジーズ ジャパンのCFOを務める高畑勲氏)という。

左からインフィニオン テクノロジーズ ジャパンの高畑勲氏、川崎郁也氏、針田靖久氏

 2019会計年度の売上高については、現時点で前年比9%の成長を見込む。半導体業界の市場予測は、約6%成長と予測されており、業界の伸び率を約3ポイント上回る見通しだ。長期的成長を支える戦略的投資も継続して行っている。一例として、16億ユーロを投資して建設するフィラッハのパワー半導体工場(オーストリア)や、Siltectraの買収などを挙げた。

戦略的投資の一例 出典:インフィニオン

 フィラッハのパワー半導体工場は300mmウエハーを用いた工場で、2021年にクリーンルームが完成するという。フル操業時は金額ベースで、年間18億ユーロ規模の生産能力を持つことになる。2021年に製造能力が満杯になるドレスデン工場(ドイツ)と並ぶパワー半導体前工程の基幹工場と位置付ける。

 こうした中、インフィニオン テクノロジーズ ジャパンは、日本市場を重要地域と位置付け、「信頼できるパートナーとしてお客様とともにダイナミックな成長(Reliable Partner-Dynamic Growth)」をスローガンに、「ビジネスの成長軌道を維持」「日本事業からの学びを最大化」「エコシステムの連携を深化」という3つの柱を掲げ、事業に取り組んでいる。

 インフィニオン テクノロジーズ ジャパンの社長を務める川崎郁也氏は、「過去8年間の売上高は、毎年12%以上の成長率で推移してきた。2018会計年度は15%の増加となった。全社ベースの成長率は8%で、日本市場は最も伸び率が高く、全社の成長をけん引している」と話す。

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