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HDD大手Western Digitalの19年1〜3月業績は3期連続の減収減益福田昭のストレージ通信(144)(1/2 ページ)

ハードディスク装置(HDD)の大手ベンダーである米Western Digital(以下、WD)と米Seagate Technology(以下、Seagate)が、四半期の業績を相次いで公表した。発表日(現地時間)はWDが4月29日、Seagateが4月30日である。そこで今回と次回は、半導体メモリ技術の動向を解説するシリーズ連載を休載し、WDとSeagateの四半期業績をご説明する。

» 2019年05月09日 11時30分 公開
[福田昭EE Times Japan]

売上高と営業利益は2期連続で2桁のマイナス

 ハードディスク装置(HDD)の大手ベンダーである米Western Digital(以下、WD)と米Seagate Technology(以下、Seagate)が、四半期の業績を相次いで公表した。発表日(現地時間)はWDが4月29日、Seagateが4月30日である。そこで今回と次回は、半導体メモリ技術の動向を解説するシリーズ連載を休載し、WDとSeagateの四半期業績をご説明する。

 WDの会計期間は7月から始まり、6月を決算月とする。4月29日に同社が発表したのは2019年1〜3月の四半期業績で、会計年度では「2019会計年度第3四半期」となる。

 2019会計年度第3四半期の売上高は前年同期比27%減、前四半期比13%減の36億7400万米ドルである。前四半期に続き、前年比と前期比のいずれもが2桁減となった。

 2019会計年度第3四半期の営業利益は前年同期比86%減、前四半期比68%減の1億8600万米ドル(Non-GAAPベース)である。粗利益率は25.3%で、前四半期の31.3%からさらに低下した。営業利益率は5.1%である。これも前四半期の13.9%から大きく下がっている。最終利益(純利益)は4900万米ドル(Non-GAAPベース)と前四半期の4億2400万米ドルから大幅に減少し、ギリギリで黒字が出ている状態だ。

2019会計年度第3四半期(2019年1〜3月期)の業績概要(Non-GAAPベース)(クリックで拡大)出典:Western Digital

 概況としては、HDDとフラッシュメモリ応用製品(フラッシュ応用品)の両方で供給過剰が続いている。ただしいずれも需要が増加しつつあり、2019年(暦年)中には供給過剰が解消されると期待する。

 HDDの製品開発では容量重視タイプHDDの記憶密度向上を積極的に進め、記憶容量が14TBの大容量品への移行を促す。またエネルギーアシスト記録技術を採用した16Tバイトおよび、18Tバイトの大容量HDDを2019年(暦年)中に市場へ投入する。

 フラッシュ応用品の開発では、BiCS4(96層)世代の3D NANDフラッシュを搭載したクライアント向けNVMe SSDと、BiCS3(64層)世代の3D NANDフラッシュを搭載したエンタープライズ向けNVMe SSDの出荷を開始した。NANDフラッシュの生産では、BiCS3世代からBiCS4世代への移行を進める。2019年(暦年)下半期には、BiCS4世代品がNANDフラッシュで最も多くの数量を生産する品目になる見込みである。

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