部門別の売上高を見ていこう。WDは売り上げを3つの部門に分けて公表している。その3つとは、「データセンター用デバイス・ソリューション(Data Center Devices and Solutions)」部門、「クライアント用ソリューション(Client Solutions)」部門、「クライアント用デバイス(Client Devices)」部門、である。
データセンター用デバイス・ソリューション部門には、エンタープライズ用HDD、エンタープライズ用SSD、データセンター用ソフトウェア、データセンター用ソリューションなどが含まれる。売上高は前四半期比16%増の12億4500万米ドルである。エンタープライズ向け容量重視型HDDの販売が予想を超えて伸びた。
クライアント用ソリューション部門には、映像業務用HDD、映像業務用SSD、バックアップ用HDD、USBメモリ、SDカードなどが含まれる。売上高は前四半期比15%減の8億400万米ドルである。
クライアント用デバイス部門には、ノートPC用HDD、デスクトップPC用HDD、コンシューマーエレクトロニクス用HDD、クライアント用SSD、組み込み用製品などが含まれる。売上高は前四半期比27%減の16億2500万米ドルである。スマートフォン向けの需要が弱いためにモバイル向け組み込み製品の売り上げが減少したほか、季節要因とフラッシュメモリ価格の値下がりによってPC用製品の販売額が低下した。
WDはHDD製品とフラッシュ応用品の売上高と粗利益率を公表している。2019会計年度第3四半期におけるHDD製品の売上高は20億6400万米ドル、フラッシュ応用品の売上高は16億1000万米ドルである。HDD製品の売上高は前年同期比21.8%減、前四半期比0.2%増であり、前四半期とほぼ同じ水準だった。フラッシュ応用品の売上高は前年同期比32%減、前四半期比26%減と厳しい。
粗利益率はHDD製品が29%で、前四半期に比べて2ポイント増加した。フラッシュ応用品は21%となり、前四半期の35%から大幅に減少した。フラッシュ応用品の粗利益率は2018会計年度(2017年7月〜2018年6月)には50%を超えており、粗利益率が約30%のHDD製品に比べて高い利益を得ていた。それがNANDフラッシュの大幅な値下がりなどにより、粗利益率はHDD製品よりも低い水準にまで悪化している。
(次回に続く)
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